はじめての野球ユニフォーム作り
~スピリットをかたちにする~

このコーナーについて

野球ユニフォーム作りのポイント、コツを文章のみで語ってゆきます。
2018年9月スタート。不定期更新のブログです。

2018年10月12日

「胸番号、ライン加工の減少」

最近の野球ユニフォームの傾向として、胸番号やライン加工を付けないデザインが増えているように感じます。
大きなデザインの潮流として、シンプルやミニマムがありますが、それを野球ユニフォームに適用しようとすると、どうしても外せないものとしては、胸マーク、帽子マーク、背番号の3点です。それ以外はすべて無しにすることも可能です(一部の大会では袖に地域名を入れるのが必須になっていたりしますが)。すると、外せるパーツとして挙がってくるのが、まず胸番号とライン加工です。
草野球ではもともと予算都合で、胸番号をつけないことが多かったのですが、デザイン的な理由であえて付けない、ということです。野球ユニフォームが他のスポーツとちがうところとして、スポンサー名が主役ではなく、チーム名が胸ロゴとしてしっかり主役であるという点があります。逆に言うと、シャツ前面にはしっかりチームらしさが出ている、自分の番号(つまり胸番号)をあえて誇張する必要性が少ないということです。あるいは、胸マークの書体の変化も影響しているかもしれません。従来は筆記体系統、むかって右上がりの書体が主流でした。必然的にむかって右下、つまり胸番号の位置が空いてきます。そこに胸番号が入ることは、違和感ないことでした。ですが、胸マークの書体で左右対称のもの、あるいはアーチ型のものも近年増えています。こうなると、胸番号が入ることで、シャツ前面を全体としてみた場合のアンバランス感(むかって右下が重く感じる)が生じてしまいます。
野球ユニフォームらしいデザインとして、シャツ前面のY字ラインがありますが、かなり主張が強いものです。野球らしいと言えば野球らしいが、デザインとして尖り過ぎているパーツとも言えます。これを無くすことで、どこかすっきりした感じ、従来とはちがうデザインの新鮮さも出てきます。ただ、ライン加工は、じわりじわりとチームカラーを印象付けやすいパーツでもあります。衿や袖端にライン加工を付けるということは逆に増えているようにも観察されます。

2018年10月5日

「地域への愛着」

人は自分の生まれ育った地域に、思い入れが強くなる傾向があります。草野球チームでは最近、なかなかメンバー集めもたいへんなので、方々の地域から選手が集まることも増えていますが、それでも拠点とする地域、よく試合を組む地域はあると思います。団体スポーツは、つまり野球も、メンバーの一体感が大事で、地域密着性・地元愛といったものがその求心力のひとつとして働くことが期待できます。
しかし、ユニフォームの胸マークに、地域名を入れることは実はとても少ないです。たとえば「横浜ファイターズ」というチーム名であれば、「Fighters」というロゴを採用するチームが90%以上だと思います。「Yokohama」とするチームは極めて少ないです。地域名を胸マークに使うのは少年野球チームがもっとも多いかもしれません。学生野球などでも比較的見かけますが、もともとの学校名自体が地域名を採り入れていることが多いので、あえて地域名を胸マークに入れている感覚ではないでしょう。学校名を省略してロゴに入れているといった意味合いでしょう。
しかし入部人数、参加人数が減りつつある時代にあって、地域性や郷土愛といったものをくすぐる要素を、野球ユニフォームに採り入れるのも、真剣に考えてみる価値があるかもしれません。一時、人気にかげりが見え始めた日本のプロ球団は、ここ20年で、自分たちのチームはどこを拠点としているのか、どの地域の人たちを重点的なファンとして大切にしてゆくのか、より明確にして来ています。もちろんプロ球団でも、ユニフォームの胸マークに、つまり一番目立つであろう場所に、地元名を入れることは少ないです。営利目的が主たるものなので、致し方ない面もあるかと思います。けれど同じ営利団体のMLBを見ると、地域名をビジタユニフォームの胸マークに入れるのは当たり前といった具合です。
これは、胸マークに地域名を入れようよ、といった話ではありません。普通、1着しかユニフォームを持たない草野球チーム、少年野球チーム、学生野球において、それはなかなか選択しがたいことでしょう。ですが、単に気の合う仲間で自分たちの好みで作ったデザインといっただけでなく、自分たちが活動する地域に対する愛着、誇りといったものが、どこかしら野球ユニフォームにそそがれていると、チームの求心力が高まるかもしれません。

2018年10月4日

「 ホーム、ビジタ、オルタネイト、プラクティス 」

草野球のユニフォームを考えるとき、プロ球団にならって、ホーム、ビジタ、オルタネイト、プラクティスの4つのデザインを検討してみるのは、大いに価値・意味があるように思います。ホームは白を基調としたユニフォームのデザイン、ビジタはグレーを基調したモデル、オルタネイトはシャツ本体の色がチームカラー、プラクティスは練習やアップの時に着用するものと、大雑把には言えます。(ビジタについては、最近の日本のプロ球団では、オルタネイトと同じようにチームカラーを基調したシャツ色になることが多いです。オルタネイトは、そもそもなにかの記念日などに着用するもので、必ずしもチームカラーをベースにしたものとは限りません。)
ホームモデルつまりシャツ本体が白色であれば、胸マークや背番号は、チームカラーを基調したものになるでしょう。すっきりとした正統派の印象です。ビジタモデルも同じくチームカラーでマークを構成しますが、ユニフォームのベースカラーがグレー色となると、だいぶ印象が変わるものです。渋さや玄人感が強くなります。草野球のチームではビジタ系統を採用するのは10分の1以下と観察されますので、人気がある方とは言えません。ですが、デザインが他のチームとはかぶらないというメリットもあります。一考の価値ありです。オルタネイトは、シャツ本体という広い面積にチームカラーが入るので、分かりやすく人気のあるデザインモデルです。けれど、意外にチームコンセプトがぶれがちになるのも、このオルタネイトです。本場のプロ球団では、たとえばチームカラーがレッドであれば、シャツ本体にレッド色を採用した場合、胸マークや背番号は白を基調とすることが多いです。うっかりロゴ色にブラックを採用したりすることはありません。ロゴの色というのは、というか、そもそもロゴはチームの象徴そのものですから、そこにチームカラー以外の色を使うことは手段としてありません(白色だけは例外、フチ部分等の色も例外)。野球ユニフォームに限らず、いわゆる企業ロゴやブランドマークを考えていただけば分かる事柄です。けれど、レッド色シャツに、ブラック色ロゴはそれなりにかっこよいので、思わず採用しがち。野球ユニフォーム作りで思わずはまってしまうデザインの穴です(意図的にこの穴にはめて、徐々にチームカラーの方向性を変えてゆくというのは高等テクニックです)。プラクティスは、価格をおさえたウェアの中から選ぶことになります。デザインの自由度が減ったり、シンプル感が強くなりますが、それを肯定的にとらえることがポイントです。近年、各メーカも低価格モデルに力を入れていますので、従来の通常ユニフォームと遜色ないデザインができあがります。あえてプラクティスであることのデザイン性を追求するとすれば、それは削りに削られたデザインの美しさ、素朴感でしょうか。変に普通のユニフォームに見えることを目指さず、とくかくシンプルに徹することで、そのチームにとってのユニフォームの方向感が見えてくるものです。

2018年9月28日

「 少年野球ユニフォームのデザインはどのくらいの射程で? 」

少年野球チームのユニフォームは、デザインを変えずらい。リニューアルするとなると、各家庭からの反発も大きいでしょう。たとえば入部1年経った時点でそのような話が出るのも、あるいは来年に卒団するという場合であっても、なんでこのタイミングで変えるのか、という感覚は普通です。でも、なんとなく今時のデザインではないな、とか、昭和レトロなデザインだよな、と思ってしまうようなユニフォームが存在するのも事実。デザインは時の移ろいとともに変わります。それは野球ユニフォームでもやはり同じです。では、少年野球チームは、将来を見据えて、どのようなデザインを考えるとよいでしょうか。
デザインは10年で一巡りするとも言われるので、今風のデザインをつきつめれば、10年後にも通じるデザインになるかもしれません。あるいは、そうは言ってもデザインは変わるものだから、10年後のリニューアルを予定に組み込みつつ、その時々のデザインを楽しむのもありかもしれません。時代に流されないような、とてもシンプルなデザインでまとめてみるのも手かもしれません。自分なりに5年後の流行、10年後の風潮を予測して、未来的なデザインを採り入れるのもありかもしれません。変化の激しいプロ球団のユニフォームの中で時代の先端を行っていると思われるデザインを参考にするのもありかもしれません。MLBのように何十年経っても変わらないようなデザインを基本にするのもありかもしれません。
つきつめると、そのチームらしさ、という点になるかもしれません。10年後も20年後も変わらず残っていてほしい、そのチームらしさという事柄です。たとえば、バントは絶対せず常に攻撃的なバッティングを心がけるのが我がチームらしさ、ということであれば、それが野球ユニフォームのデザインに投影されていればよいのです。時代とともにそれはデザインの表面的には変わってよい。シンプルな白いユニフォームに、赤色のフォントでそれが表現されるのもありですし、リニューアルする際に、ブラックをベースにしつつ力強い白いフォントでまったく構成しなおすのもあり。もちろん我がチームは赤いロゴによって象徴されて来たと思う人たちが多ければ、それを基軸としてデザインを構成するのもよしです。ただ、チームにかかわる・かかわってきた・これからかかわるであろう人たちの多くが、新しいユニフォーム・デザインの中にも感じることができる「我がチームらしさ」とは何か。そう考えると、かえって、単にデザインを考えるよりも難しくなってしまうかもしれません(笑)。

2018年9月27日

「 デザインで揺れるのも 」

日本のプロ野球のユニフォームは近年、3年に1回くらいのペースでリニューアルしています。以前は5年以上、同じデザインを採用することが多かったので、近年はペースが早くなっています。応援グッズの販売など、商業的な理由が多いと思います。あるいは、その時だけのイベント用ユニフォームを企画することも目立つようになりました。一時の企画のために、本来のチームカラーではない色(たとえばピンクだとかレッドだとか黄緑だとか目立つ色)を採用することもあります。プロ野球の本質のひとつは、エンターテイメント・営利活動なので、その事自体にはどうこういう事はありません。
傍から見ていると、ずいぶんとデザインが揺れているよな、このチームらしくないよな、と思うことも正直なところ少なくありません。ですが、そのデザインの揺れも数年続いてくると、逆に、ぶれない所、遊びもあるが核となるデザインも定まってきているように感じます。近年、日本のプロ球団のユニフォームが、本当にそれぞれのチームらしい洗練さを身につけたのは、そういうデザインの揺れを経たおかげもあるかもしれません。
草野球や少年野球のユニフォームでは、たびたびユニフォームのデザインを変えるということは、なかなかできません。20年ほど前と比べると、半額近い価格で作れる場合も出てきますが、それでもやっぱりリニューアルできるのは5年以上経ってからではないでしょうか。だから、野球ユニフォームを作り変えるときは、せめて打合せだけでも、イメージ比較だけでも、幅広いデザインを検討してみるというのがありかもしれません。幹事さんはなかなか大変かもしれませんが、デザインを考えるというのは、わくわく楽しい面もあります。以前から採用しているチームカラーを引き継いだユニフォーム、最近流行りのデザイン、まったく新しい視角からのモデル、といった3通りを検討してみると、意外に、自分たちのチームらしい野球ユニフォームのデザインのあり方、チームカラーの核となる使い方が見えてくるかもしれません。

2018年9月21日

「 チームカラーが根幹 」

そのチームらしい野球ユニフォームと思わせる一番大きな要素は、チームカラーだと思う。シャツのデザインが変わったり、ロゴマークが変わったりしても、チームカラーを変えるということはなかなか目にしない。少なくともプロ球団や伝統校・強豪チームと言われるところが、そのチームカラーを変えるというのは、よほど何かの節目という機会以外にはないように観察される。これは野球ユニフォームに限らず、会社や国など、ありとあらゆる人間集団に総じて言えることかもしれない。それほど色というものは、複数の人間を束ねるときに力を発揮するものなのだ。
けれど野球ユニフォームにとって、チームカラーの方向性、あるいはその見せ方、使い方といったものは、この10年で変化したようにも観察される。とりわけプロ球団では顕著だ(学生野球は従来からこの方向性にあったように思う)。従来は、メインカラーがあって、サブカラーもある、というのが主たるチームカラーのあり方だった。たとえば「ネイビー*レッド」や「ブラック*イエロー」といった組み合わせだ。この場合、2色のうち、どちらかが欠けても不可。割合・重みの掛け方がちがうといったものだった。けれど最近は、チームカラーは1色のみ。サブカラーもあるにはあるが(そしてそれは簡単には変えないが)、従来よりは考え方が控えめである。本当にチームカラーと言えるのは、メインカラーのみという一本筋の通ったユニフォームデザインにしてきていることが多い。サブカラーはあくまでも色としての二番手であって、チームカラーではなく、メインカラーを上手く引き立てる役目といった棲み分けがなされているように思う。近年のデザインの潮流であるシンプル、ミニマムといったものが、野球ユニフォームのチームカラーのあり方にも影響を与えているように思える。これは単に見た目の割合として、サブカラーや第三カラーの割合が減ったといったことではなく、逆に増えていたとしても、チームカラーのメインカラー(こうなるとメインカラーという言い方すら相応しくないが)はただ1つという思想的な変化があるということだ。
草野球のユニフォームに関しては、比較的新しい技術的である昇華シャツ(フルプリントシャツ)が流行していることもあって、逆に、華美で派手なカラーを採用しているところも少なくはない。大きなデザインの流れから逆行・相違しているが、これはこれで定着するのかもしれない。学生野球とプロ球団のユニフォームデザインが大きく違うように、従来、わりと似通っていたプロ球団と草野球のユニフォームも異なる道を歩み始めたのかもしれない。

2018年9月18日

「 チームにとって野球ユニフォーム作りで何が一番大事か? 」

野球ユニフォーム作りで何が一番大事かと、「今」問われたら、さしあたり「価格」だと答えたい。財布のひもがゆるいと言えない時代、むしろ厳しいと言える情勢にあって、高いユニフォーム代はネックだと思う。だから、チームのメンバーにとって無理のない価格で、野球ユニフォームをつくるのが大事だと思う。
もちろん、価格が大事=低予算がよい、というわけでもない。20,000円出してでも満足ゆくユニフォームを作るのはありだし、せっかく作ったのだからということで長く大事に着てもらえるかもしれない。けれどやはり、すんなり出せる相場というものはある。世間一般の普通の感覚だと、10,000円以下だろうか。5年は着るだろうもので一式そろえるのだから15,000円。そんなところだろう。
けれど、もっともっと根底にあることは、試合に練習にメンバーがしっかり参加してくれるかどうかだと思う。集まりが悪くなったので活動を停止するといったチームの話は、年々多く聞くようになった。草野球チームは減少の一途をたどり、少年野球はサッカーに追い抜かれようとしている。野球に限らず、団体スポーツよりは、個人で参加できるアウトドアスポーツ、家族で楽しむキャンプ等が伸びていると言う。時代のながれだから致し方ない面も多い。だから「いま本当に」なにが一番大事かと問われたら、野球チームの活動を盛り上げてくれるユニフォームが大事、というのが理想的な答えかもしれない。それが野球ユニフォームの何によって(価格?デザイン?それとも他の何か)達成されるのかは、明確ではないけれど。