胸マーク、昇華*縁取刺繍 | 袖ワッペン、昇華*チドリ掛け |
胸マーク案1 胸マーク案2 胸マーク案3 胸マーク案4 胸マーク案5(採用) 帽子マーク案 |
ヴァレンス様(愛知県豊田市、2008年12月納品) ●お客様より1 「ロゴワッペンは、ジーベック(XEBEC)とは、ラテン語で3本マストの帆船〜14世紀に地中海で活躍した画期的な船〜を意味します。この帆船は前の帆で風を集め、効率よく中心の帆に風を送ります。これが推進力となって、最後の帆でさらに強い推進力を得る構造です。ジーベックもこの3枚の帆のように走攻守がバランスよくに機能し、ハイレベルの試合展開を目指します。同時に、チームを取り巻くメンバーが帆の役割を果たし大海原の航海のようにグランドで楽しむチームを目指します。てなイメージです。船、海、三椏の矛など入れてください。」 ●お客様より2 「チーム名が変更になりました。「Varenes」「ヴァレンス」に決定しました。帽子のマークを「V」と碇のマークか「V」と羅針盤をうまく掛け合わせれたら掛け合わせたいんですけど。チーム名は造語で、フランス語の勝利と船を掛け合わせた意味です。」 【基本コンセプト】 はじめからチームのコンセプト、デザインの軸が、しっかりしていらっしゃいます。こういう時はデザイナは2重の意味で楽(楽ちん、楽しい)ですね。 新年に向けて新しく立ち上げるチーム様だったので、チーム名が途中で変更になったのは、正直なところちょっとつらい(笑)のですが、文字数がそれほど変わっておらず、基本コンセプトがそのままだったので大きな影響はありませんでした。 ユニフォーム本体もオリジナル重視、胸マーク(チームロゴ)も帽子マークもオリジナルをご希望でいらっしゃいました。ワッペンを付けることも初めから決定されておられます。ですから、ワッペンも視野にいれつつ胸マークを考案し、またユニフォーム全体のバランスを見てゆきました。ロゴとユニフォーム全体を平行して考えてゆくわけですね。 【胸マーク】 胸マークは、既存の書体の中から海をイメージさせるようなものをいくつかピックアップしてご提案しています。その中から胸マーク案1に決まっていったわけですが、配色としてイエロー*ホワイトふちというは区切りがすこし弱いのです。 かといって胸マーク案2のように、イエローを黄土色・カーキ色に変えると、区切りははっきりしてきますが、チームカラー・方向性がだいぶ変わってきてしまいます。 そこで胸マーク案3のように、間にブルーを入れることで、境目・印象をはっきりさせています。 これはサンディエゴ型と呼ばれる書体で、わりと人気がある=需要がある=採用するチームが少なくないという書体です。ですからお客様のご提案=碇マークか羅針盤を組み合わせてみたいというのは、オリジナル性を高める素晴らしいアイデアですね。デザイナもすぐにビビッと図案が浮かんできて、ほぼ一発でオリジナルロゴが完成です。 胸マーク案4と案5は、2色パターンと3色パターンを再検討しています。錨マークが入ることで、どちらがよいかという意味合いは変わってきます。どちらもそれぞれ良さがあるのですが、遠目に見たときにも区切り目のはっきりする案5が採用となりました。 胸マーク案5は実はいくつか工夫があって、印象をさりげなく良くするようになっています。錨マークはフチを濃くして、また立体的に見えるように2色を使っています。グラデーションではなく、あえて2色だけで立体風にするのがシンプルの良さです。文字部分についても同じく、立体的に見えるように少しだけ色のちがうイエローを影のように入れてあります。これもあくまでさりげなく。そして、間のブルーの部分は細めに設定。当初のイエロー*ホワイトの良さがすこしでも出るように、ブルーが目立ちすぎないようにしてあります。 【帽子マーク】 帽子マークは「V」と「錨」の組み合わせ、胸マークの先頭部分です。ただし3色ではなく2色になっています。立体感等もなくしてシンプルにしています。どうして2色だけになったのか? それは帽子マークだからです。帽子マークは直刺繍ウレタン入り(立体加工)で仕上げることにしていたので、実際の仕上がりでは糸による存在感・立体感だけで十分だからです。 |
確定デザイン |
ワッペン案1 ワッペン案2 ワッペン案3(採用) ワッペン案4 |
【ワッペン】 胸マーク・チームロゴが決まった時点で、十分なオリジナル性が出ていると思いました。ですからワッペンは、チームロゴを主役にすえつつ考案してゆきました。 ワッペン案1は、ワッペンの基本形である円形です。地球と船を配置して海っぽさを出しています。無難なデザインですが、オーソドックスな良さもあるので、たいてい案としてとりあえず作成することが多いです。 ワッペン案2は、羅針盤マークを採り入れています。これも基本的には円形の部類ですね。お客様からご提案のあったうち、錨マークはチームロゴで使えましたが、羅針盤はまだだったので作成してみました。ただ羅針盤はロゴに隠れてしまって、エメラルドの舵の方が目立ちますね。 ワッペン案3は、帽子マークを基本としつつ、それを船のパーツ、船体の一部と見立てています。バットは柱や櫂のイメージですね。それに、チームコンセプトにあった勝利をイメージさせる月桂樹、その葉によるボール目を加えました。中央上にある星は、やはり同じく勝利、あるいは北極星、見張り台の光などをイメージさせました。 この案ができあがった時点で、たぶんこれに決まるのだろうな、むしろ決まって欲しいという思いがデザイナにもありました(笑)。 ワッペン案4は、球場をベースとして案3のパーツをひきつづき使用しています。案3ができた時点で、なんとなく達成感が出てしまったので、新たな工夫はされていません。 チームロゴがしっかりできていたので、ワッペンの方もしっかりした案をすんなりと作ることができました。一般的に、ワッペンはまずたたき台・ラフな案を作って、それからだんだんと詳細をつめてゆくことが多いのですが、この時は完成イメージがわりとズバッと浮かんできました。これは珍しいことです。 案4つをお客様にご覧いただいたところ、案3で一発OKをいただきました。 |