とあるチームのワッペン考案の変遷をのぞいてみます。 ご協力いただいたチームは東京都『KANACS』様です(ありがとうございます)。 メーカーカタログのデザインから出発して、チーム・エピソードをもりこんだオリジナルワッペンになりました。 スタイル全体もオリジナリティにあふれています。黒シャツ+ストライプパンツの落ち着いたスタイルに、銀*エメグリふちのマークです。 胸マーク書体はフロリダM-homeをベースにしています。背番号書体はやや広めのプレインブロック。 |
胸マークやユニフォームのスタイルがほぼ決まった頃、予算が余ったのでオリジナル・ワッペンも作ることになりました。 イメージはまだ未定でした。そこで、まずはメーカーカタログ記載のデザイン・パターンからお好みで選んでいただきました。 さて、イメージを組み立ててゆくことになりましたが... | ||||||
案1: デサントWP-01 配色はカタログ通り。外枠がシャツと同色の黒色になっています。枠色によって、一回り小さくも大きくも見せることができます。 |
案2: WP-01その2 カラーを制限したパターン。上の左角右上角にあるデザインは「鳥」です。別のシンボルにも変更できます。 |
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案3: WP-01その3 配色をチームカラー=エメグリ・銀・黒を主役にしたパターン。外枠の水色でやや活気を出しています。 |
案4:WP-19 配色はカタログ通り。チームカラーには合っていそうですが、いまひとつパッとしない印象です。 |
キー・パーツその1: 「旗」 オリジナル・ワッペンを考えるとき、チームの由来やエピソード、コンセプトなどがあるとグッと引き立ちます。それをもとにデザイナがオリジナル要素を付け加えることができるからです。 今回もお客様からヒントをいただきました。「KANACSの意味ですが、正式名称は『上町仲町クラブ』と言います。私達の住む地域は、町対抗のソフトボールリーグが有りますが、私達の上町、仲町はとても小さく1町でチームを作ることが出来ませんでした。そこで、2町連合チームを作ることになりました。」どことなくあったかさを感じるエピソードですね。 そこで、【2つ】【合わさる】【協力する、応援する】【由来、元々】などイメージして「旗」を使ってみようとスタッフは思いつきました。 「双頭のワシ、ライオン、ヘビ」なども候補に挙がりましたが、これらの動物がチームシンボル、マスコットというわけではないので見合わせました。 |
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案5: オリジナルその1 チームカラーを基調に、オリジナル要素の「フラッグ」を配置。ベースデザインの「球場」はそのまま採用してみました。 フラッグとチームマーク(胸マーク)の大きさがほぼ同じです。デザインの常套テクニックとしては、どこかにアクセントを付けるもの。ワッペンにおいてもどれか1つを強調する方がメリハリが付きます。 ただ今回は、この後の実際の刺繍マーキングを考慮して、きれいに仕上がる大きさに調整してしてみました(ちょっと残念)。 |
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キー・パーツその2: 「王冠」と「つる」 「ユニホームがモノトーンであるため、カラフルなデザインを希望します」「全体的にもう少し派手にして下さい」というお客様のご要望を盛り込んでみます。 これまでは緑・青ベースなので、そこに赤・黄を加えてみます。4大色をすべて使うと、明るく華やいだ印象を出せるからです。 そこで「王冠」と「つる(のようなもの)」を採用してみました。どちらもヨーロッパの紋章ではしばしば使われる伝統的・代表的な模様です。 |
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案6: オリジナルその2(採用デザイン) 案5を派手にしてみたパターン。配色や文字内容などの最終調整も行いました。 「二つの町が協力して王冠=リーグ優勝を目指す」というコンセプトにまとまりました。 『ユニフォ』でもかつてないほど明るく豪華な(&ちょっぴり高い)ワッペンになりました。 |