2012年2月29日(水曜日) 「あと一工夫はマークで」 あと一工夫を加えるだけで、グッとそのチームらしさが出てきます。ウェア本体にそれをしようとすると、特注・別注になってしまうので金額が高くなりますが、マークならばたとえ一工夫加えたところで変わらないことも多いです。なぜならば、マークはそのチーム用のものであって、そもそも特注の性格をもっているからです。 意外と簡単に一工夫できる、愛着がわいてくるポイントとしては「帽子マーク」「ワッペン」です。ちょっとした絵柄、チームシンボルが入れやすいですね。 背ネームは残念ながら、個々の選手のこだわりであって、チームのこだわりとはなりにくいです。 2011年1月21日(金曜日) 「引き継ぐのは感傷?」 ユニフォームをすでに持っているチームが作り替える時、シャツの系統もロゴマークもすべて変えてしまうケースが意外と多いです。せっかく変えるのだから、ぜんぶ変えてしまおう、新しくしようというわけです。プロ球団でもそういうことはなくはないのですが、せめて雰囲気・系統だけは引き継がせるようです。やはりファンがいますから急激に変えてしまっては、反発・離れが起こってしまいます。 はたして草野球チームではどうでしょうか。プロ球団のように外部の目を気にする必要はありませんから、メンバーが納得していればユニフォームのデザインを全部変えてしまってもよいと言えます。ただ、やはりどこかもったいないという思いもあります。今までみんなで一緒に過ごしてきた時間を、積み重ねてきたプレイを、捨て去ってしまうような気もするのです。 2009年11月20日(金曜日) 「オリジナリティ=アイデンティティ+ユニーク」 野球ユニフォームにとっての「オリジナリティ」とはなんでしょうか。まず大事なのは、そのユニフォームにとってオリジナリティである点を、メンバーが気に入っている、大切に思っているということです。いわゆる「アイデンティティ」とも表現できるものです。単に他のチームにはない特徴といったものであれば、それは「ユニーク」と呼ばれるものです。オリジナティは、よりユニークであればあるほどベストですが、アイデンティティ無くしては意味がありません。極端に言えば、どんなに平凡なオリジナリティでも、それがチームにとって愛すべきオリジナリティとして存在していれば、十分なのです。 2009年9月10日(木曜日) 「面影を残しつつ」 自動車のリニューアルを思い浮かべてください。ある車種のデザインが継承されつつ変わる時、どことなく面影を残しておくことが絶対に必要です。似ているところ・継承しているところがなければ、もうまったく別の車種になってしまいますし、とくにユーザが気にいっているところを変えてしまうと、ひどく反発されてしまいます。野球ユニフォームのデザインというものも、きちんと意識はしていなくても、そういうものではないかと思えます。メンバーの中で好きの度合には差があれ、数年間親しんできたユニフォームです。急激にユニフォームデザインを変えてしまうと、チームのあり方そのものにも大きな変化(断絶ともいえる)が生じてしまうのではないかということです。 一方、車種がリニューアルされたからと言って、次に買い換える車種をそれにするとは限りません。むしろ買い換えるのだから(あるいは生活に応じて)、別の車種にするということの方が多いと思います。今まではA車に乗っていたが、次はB車にする。野球ユニフォームの買い替えでもそうした方向転換の方が多いのかもしれません。これまではAデザインのユニフォームだったが、これからはBデザインにする。わざわざAのデザインを引き継ぐ、aデザインにする必要はない。これにもたしかに一理あります。 2009年4月17日(金曜日) 「オリジナリティよりも」 野球ユニフォーム作りにおいては、オリジナリティが大切にされることが多いです。ニュアンスがちがいますが、他チームと同じでないデザインであることが大切とも言えます。試合会場で「あっ、あそこのチームと同じデザインだ」となってしまっては、なんとなく悔しい、恥ずかしいといった感情をいだいてしまう人が多いと思います。このマイナス状況を避けたいという心理の方が、オリジナリティが大切というプラスの表現よりも、むしろ強い動機付けかもしれません。これは野球ユニフォームに限らず、一般の服装でも言えることです。 2009年3月17日(火曜日) 「ブランドマークにならう」 世の中には、いわゆるブランドマーク(メーカのロゴマーク)が存在します。それは創業当初からほとんど変わることがなく(多少のアレンジはある)、だからこそ信頼と力を持ってきます。草野球のチームでもそうしたものを作ってみるのがよいかもしれません。ユニフォームのウェアデザインが変わっても、マーク書体が変わっても、ずっと使い続けられるシンボルを持つことができます。 2009年1月30日(金曜日) 「長く採用することの価値」 ある同じデザインをずっと長く採用していると、それがそのチームの魅力として認識されてゆきます。たとえば、ストライプはどのチームでも採用できるありふれたデザインですが、それを十数年、何十年とユニフォームにしていれば、きっとそのチームのシンボルとなるでしょう。たとえば帽子マークだけでもずっと同じデザインを使っていれば、それがチームのアイデンティティとなってゆくこともあるはずです。見た目において他のチームとちがっているかだけでなく、ユニフォームがつちかってきた時間によってもオリジナリティが生まれるのです。これは時代の力とも言えます。 2008年11月28日(金曜日) 「ダサかっこいい」 「ダサイけれど、かっこいい」という表現が似合うような、かっこよさがこの世にはあるように思います。普通なら採用しないようなデザインだけれども、どうもそれがそのチームの魅力となっているという場合があるのです。それはプロ球団のユニフォームでも見られることです。 どんなチームでもかっこいいデザインのユニフォームを作ろうとします。そうすると、似通ったデザインになってしまう(少なくともある種の方向性に偏ってしまう)ことが出てくるものです。そういう中で、ユニークなデザインというのはかえって目を引くものがあります。 2008年8月20日(水曜日) 「定番品に無いありがたみ」 シャツやキャップあるいはパンツで、自分たちの希望するデザインが定番品に無い場合は、特注・別注での対応となります。特注・別注は定番品と比べれば価格がアップしますし、納期もかかります。大きなデメリットと言えます。 しかし定番品に無いということは、そのデザインを採用するチームはとても少ないということです。もちろん「少ない=カッコ悪い」ではありません。特注・別注だからこそオリジナル性が高まったと前向きに考えるのがよいと思います。 2008年5月7日(水曜日) 「探しても見つかりません」 野球ユニフォームは各チーム毎のオリジナル・アイテムです。オリジナルですから、原理的には、できあがる前には、未だこの世の中には存在しません。 もちろん実際の制作では、定番品・既製品をベースにしたり、あるいは基本となるデザイン、参考となるスタイルはあります。しかし、それらの中に自分たちのチームのユニフォームを探そうとしても見つかりません。 なにがオリジナルなのか、自分たちはユニフォームに何を求めるのか。そういったことを考えることが「オリジナル」野球ユニフォーム作りには必要です。 2008年2月12日(火曜日) 「すでに他とちがっている」 よく「他のチームとはちがったユニフォームにしたい」というご要望をいただきます。それは簡単です。統計的に少ないデザインを採用すればよいだけです。でもそれでは本末転倒。そのチームの野球ユニフォームである意味はないわけです。 ユニフォームのデザインが結果的に他のチームと同じかどうか、似ているかどうかは二次的だと思います。そんなことに関係なく、あなたのチームは世界にただひとつです(くさいセリフですが・笑)。その特徴・魅力などを考えた末に出来上がった野球ユニフォームなら、どんなデザインでもそれでいいじゃないかと思います。 極端な話、ウェアのデザインもカラーも、マークの書体も配色も、すべて同じチームがあったとします。けれど胸マーク文字さえちがっていれば、それは違う意味をもったユニフォームだと思います。たとえば、レッド色をベースとしたユニフォームで、チーム名・胸マーク文字が「フェニックスPhoenix」なのか「パワーズPowers」なのか「アップルズApples」なのかでは、その印象はちがってくると思います。 2008年1月24日(木曜日) 「誰のユニフォームなのか、禅問答」 野球ユニフォーム作りでは、実際の制作を始める前に、事前にイメージ画像を作ります。胸マークにはもちろん各チーム様の文字が入ります。 慣れている販売店スタッフならば、イメージ画像を作らなくても頭のなかでくっきり想像することができます。 イメージ画像を実際に作ってみて、それを各チーム様にご覧いただきますが、たぶん、それは販売店スタッフが感じるものと違うのだなと思います。「そのチームのデザイン」と「自分たちのチームのデザイン」との差。 もちろん販売店スタッフも、各チーム様の立場にたってデザインを考えます。ですが決して「自分たちのチームのデザイン」にはなりません。もし本当に、販売店スタッフが自分たちのチームのデザインだと感じたならば、それはその瞬間に、そのチーム様のデザインではなくなってしまうわけです。 |