『ユニフォ』
ユニフォーム コート マーキング サイズ表 カタログ シミュレーション 問合・手続き 会社情報
 

はじめての野球ユニフォーム作り
〜スピリットをかたちにする〜

心構え編



2013年12月10日(火曜日)
「頭の中のイメージ」

 
作りたい野球ユニフォームがあって、それを明確に図形・画像として頭の中にイメージできる人は稀です。なんとなく、こういったデザインのユニフォームを作りたいと思っていても、なかなか言葉にできなかったり、あるいは似たようなユニフォームモデルを挙げても、どこかちがったりします。
でも、この現象は野球ユニフォームだけではありません。たとえば理想の自宅を建てたいとして、それを明確にイメージできる人がどれほどいるでしょうか。モデルハウスを見ても、自分のイメージとぴったりだったという人はあまりいないでしょう。ユーザから漠然としたものでも希望を聞き出し、それを形にするのが建築設計士です。ですが、その設計士が作った図面あるいは出来上がった家でさえ、ユーザの理想と完全に一致することはありません。
ユーザの中にあるイメージというのは、漠としたものであるので、打ち合わせをする中でなにかに影響を受けて変わっていっている可能性、より良いものを求める指向性によって変わっていっている可能性があります。
それに対して、目で見えるデザインというのは、その時に固定したものです。いつもどこかでわずかながらでもイメージからは離れている、遅れています。設計する側からしても、もっと上手く作ることができるのに、といったもどかしさとなって残る場合も少なくないでしょう。
 
 

2013年11月27日(水曜日)
「外見と象徴」

 
野球ユニフォームは身にまとう物です。多くの人の感覚として、それは当然かっこいい方がいい。ださいユニフォームを着て試合には出たくないでしょうし、チームの士気・結束自体も弱くなってしまいそうです。
自分が着てどうかという観点とともに、ユニフォームは他の人から見ると、そのチームそのものの外見と言えます。たとえばチームのホームページで、ユニフォームの写真が飾ってある。試合や練習の様子が見える。個々の選手の顔までは(とりあえずは)気にしません。ユニフォームをぱっと見て、このチームに入りたいかなどうかな、あるいは対戦したら楽しそうかな、そういったことを考えます。
もちろんユニフォームだけが一人歩きして、多くのメンバーを獲得できたり、チームが強くなったりするわけではありません。しかし、ユニフォーム=統一着・制服のもつ、人の心に与える力もまたあなどれないのです。
 
 

2013年2月6日(水曜日)
「野球はチームスポーツ」

 
野球はチームスポーツです。実際の動きは、個々が別々に動き、連動していないことも少なくないスポーツと言えますが、それでもやっぱりチームスポーツです。みんなで真剣にのぞむもの、楽しむものです。ささいなことで、ちょっとしたいざこざで、選手同士の仲がよろしくなかったり、チームの雰囲気がよくなかったりすると、それはやっぱり試合やチームの成り立ちそのものに影響してくるでしょう。
だから野球ユニフォーム作りも、つねにそのことを考えます。プレイに直接関係がないユニフォーム作りだからといって馬鹿にはできません。チームにとっての大事なひとつのイベント。今後の練習や試合にいっしょにのぞむユニフォーム。プレイ同様に、どうしたらユニフォーム作りが上手くゆくか楽しいか、それはとても大事なことだと思います。
 
 

2011年5月6日(金曜日)
「オセロよりは複雑な野球ユニフォーム作り」

 
オセロというゲームがあるよね。
このゲームで勝つには、たとえば自分が白だったとして、四隅全部に白を置くことができればまず勝てるよね。でも、たいていの人はどうしたら四隅をとれるのか分からないんだ。
時には思わぬ一手で黒にたくさんひっくり返されてしまうかもしれない。けれど、待ったをしたり、同じところにはもう白を置けたりしない。できることは白を一手一手つみかさねて、白を多くすることだけだよね。
四隅全部をとるのはなかなか難しいし、だから真っ白になって勝つことはまずない。それに、全部の四隅がうまるのはゲームの最後の方なんだ。
でもオセロに勝っても負けても、善戦していても苦戦していても、人はいつだってゲームを楽しむことだけはできると思うんだ。
 
 

2010年9月27日(月曜日)
「ステージを上げる」

 
自分の衣装棚を見てみると、もう着ないという服が誰でも入っているものです。人によっては、それが半分近く占めることもあるかもしれません(笑)。衣服は、その人の好みや年齢、状況によって、変わってゆくものです。また、現在着ない服というのは、単に自分に合わないというだけでなく、むしろ着るとかっこわるいという場合も多いです。自分の「ステージ」が上がると、着る服も選ぶ必要が出てきます。
野球ユニフォームも同じで、新しいユニフォームができあがってくると、なぜか古いユニフォームがとてもかっこわるく見えることが少なくありません。単に好みが変わったというだけでなく、やはり新しいユニフォームにおいてなにかが洗練されて、「ステージ」が上がるということが多いのです。
 
 

2010年5月18日(火曜日)
「近づいて見てみれば良いものでもない」

 
物事は近づいて見てみれば良いものでもありません。引いて、見る。全体を見る。たとば素材感というのは、アップ図で見ることも必要ですが、それだけでは全体の仕上がりの雰囲気をつかめません。たとえばロゴマークというのは、ひとつひとつの文字の形も大事ですが、つづりとなってロゴを形成する時の全体バランスも大切です。たとえば帽子は、それ自体として利用できるアイテムですが、やはりシャツやパンツも含めてユニフォーム全体の中での存在として見ることも大事です。
 
 

2010年5月17日(月曜日)
「動かして考えられるか」

 
野球ユニフォームは飾り物ではありません。人が着ます。そして動きます。プレイの中でユニフォームがどう見えるか、あるいは、選手9人がそろった時にどう見えるか、相手チームにはどう映るか。着ている選手がどう感じるか。そういった視点まで広げることができれば、野球ユニフォーム作りにおけるある種の到達点と言えるかもしれません。
 
 

2010年4月30日(金曜日)
「頭で見るな、ただ見よ」

 
野球ユニフォームのデザインにも、デザイン一般の多くの理論・法則があてはまります。たいていの場合、めちゃくちゃに考案するよりも、デザインの基本に則って作った方が上手くゆきます。しかし、やはり机上のものは机上のもの。実際に上手くいかないこともあります。ユニフォームを頭だけで見ると、活き活きとしたものが生まれてきません。時に法則通りだからこそ、かっこわるくなるということもあります。ただデザインとしてユニフォームを見る。
 
 

2010年4月19日(月曜日)
「未来は今」

 
これから作る野球ユニフォームは、これから未来において着るものです。今チームの状態が、雰囲気が、目標が、あるいは金銭状況がどのようなものか、見極めることがたいせつです。今のチームに合わないものでもいけない、かといってまったく同じでも未来での向上がなく、無理に望んでもなじまない。今この瞬間どんなユニフォームがあったら、チームのみんなが喜んでくれるだろう。
 
 

2010年4月8日(木曜日)
「花畑、枯山水、青空」

 
には、花畑のように華のあるものもあれば、枯山水のように寂のうちに現れるものもあり、青空のようにただそれだけで胸をうつものもあります。野球ユニフォームの格好良さもまた同じ。豪華にするもよし、シンプルにするもよし、ストレートにするもよし。
 
 

2010年4月7日(水曜日)
「王道の強さ」

 
野球ユニフォームのデザインにも王道があります。ここ10年ほど常に人気トップ10に入り続けるようなデザインもあります。王道が王道たる由縁は、たしかにデザインとしての素晴らしさがあります。それだけでなく、そのデザインを確固として採用した・しているという自信もみなぎっています。
 
 

2010年4月6日(火曜日)
「新しい型」

 
型は既存のもの。型である以上、ある種の完成。しかし既存のものは、平凡と見られ、あきられ、避けられる。
よく採用される野球ユニフォームのスタイルやマーク書体。たしかにそれらはかっこよくて、野球ユニフォームらしい。けれど、どこのチームも採用するようだと、どうも面白くはない。自分たちのチームらしさがない。そんな風にも感じる。
新しいけれど完成されたもの。未知の型。
 
 

2010年4月2日(金曜日)
「お弁当箱とフランス料理」

 
お弁当箱にはぎっしりごはん・おかずが詰まっていて欲しいものです。フランス料理は真っ白なお皿に量はちょぴりだけ、優雅に盛りつけられているものです。内容が濃いとはどういうことか、空間をうまく使えるかどうか。美、質、形、道。野球ユニフォーム作りでもきっと同じ。
 
 

2010年3月25日(木曜日)
「価格と品質は連動するか」

 
高い価格だからといって、必ずしも品質が優れるわけではありません。同じ価格でも品質の優劣はあります。しかし一般に、価格と品質は連動します。高いものほど優れ、安いものほど劣る。これは野球ユニフォームについても言えます。
異なるメーカ間で、同じ価格の似たような商品があった場合、その優劣を比べるのは難しいですが、優劣がある可能性はあります。この場合、高い方が総じて優れているとは限りません。
同じメーカ内で、同じ分類に属する商品で価格の高いものと低いものがあった場合、まずまちがいなく高価格の方が品質として優れています。たとえば帽子で、高いものと低いものがあった場合、高いものの方が試合用、安いものの方が練習用といった具合に、品質に大きな差があります。
 
 

2010年3月24日(水曜日)
「品質は客観的ではない」

 
品質は客観的であるように見えますが、思いこみ・主観の面も実は大きいです。より正確に言えば、品質自体は客観的な事柄ですが、品質について語ることは主観です。
たとえば野球ユニフォームでも、よく話題になる素材の吸汗速乾性や伸縮性。素材そのものの客観的なデータとして、乾きが早い、伸びが良い等は数値化でき、その優劣を比べることができます。しかし実際に使用してみて、それをどう感じるかは、意外と差がなかったり、あるいは客観的なデータとは逆の評価が出てくる場合もあります。いわゆるブランド力といったものが主観に入ってしまい、「このメーカなら良い物のはずだ」「このメーカはそこまで良いとは思えない」といった評価になることがあります。
 
 

2010年3月8日(月曜日)
「どこに絶対的な軸をおくか」

 
野球ユニフォームを作るにあたって、デザイン・金額・納期などのどこに絶対的な軸をおくべきでしょうか。デザインではゆずれないものもあるでしょうし、出せる金額だって限られている。試合にももちろん間に合わせたい。
しかし本当にたいせつなのは、今この期に、ユニフォームを作る(作り替える)のかどうか、です。なにがあろうと作るのか、皆の意見がまとまらなければ作らないのか。
 
 

2010年3月3日(水曜日)
「たとえるなら料理」

 
オリジナル野球ユニフォーム作りというのは、普通のお買い物・商品選びとはちがいます。すでにある選択肢の中から買うのではなく、選択肢を作るという行為そのものです。おそらく一番近いたとえのひとつは、料理です。お店に入ってメニューの中からどの料理を食べようかなと選ぶのではなく、いろいろと材料を持ち寄ってどんな料理を作ろうかと考えることに、野球ユニフォームのオリジナルオーダは近いです。
 
 

2010年2月19日(金曜日)
「煮詰まるのに1週間」

 
野球ユニフォームのオリジナルオーダのように、いくつも決めることがあると、ようやく煮詰まってきて焦点がはっきりするのに1週間はかかります。そして、ここから腰をすえてさらに検討をすると、ぐっと良いユニフォームに仕上がってきます。
1週間ほどかかるというのは、具体的な見積もりあるいはデザイン案があるかどうかにかかわらずかかります。そういったものがあっても、それはそれで細かな点での検討事項、確認事項も出てきます。
 
 

2010年2月18日(木曜日)
「悩むなら具体的に」

 
あれこれ悩むなら具体的に悩みましょう。自分では考えたつもりになっていても、具体的に考えてみると、もっと大事なことが分かってきます。具体的に考えるとは、メンバーに、お店に、自分はどういうユニフォームが欲しいのか、きちんと説明できるような状態にまで持ってゆくことです。
 
 

2010年2月2日(火曜日)
「買う気、作り気」

 
販売店・メーカからの立場から見たお話です。ユーザが本当に野球ユニフォームを買う気があるとはどういう状態でしょうか?
一部のメンバーだけが買う気があるというのでは不十分です。では、ほぼ全員が新しいユニフォームを欲しいと思っていれば、それで十分かというとそうでもありません。この状態でお店に相談してみても、販売店としては取り付く島もない状態といっしょです。
具体的なデザインの希望があり、どのウェアが必要で、他は要らないのか。最低でもこれくらいは定まっていないと話の進めようがありません。しかし、いくら要望がしっかりしていても、それを実現させるだけの予算を持っていないチームというのは、やはり買う気がないのといっしょです。どんなに話を進めて細かいところまで決めてみたところで、結局はユニフォームを作ってもらえないからです。
要望がきちんとまとめてある、予算を準備してある。そうした計画性を見せると、お店としてもまるでチームの一員のようにいっしょに作ろう、手伝ってみようという気になるものです。それがやがてはチームにとってのメリットになることが多いです。
 
 

2010年1月29日(金曜日)
「売りたいもの、売れているもの、欲しいもの」

 
どんな商品にも言えることですが、お店が売りたいものと、実際に売れているものと、ユーザが本当に欲しいものとはそれぞれちがっていることが多いです。
野球ユニフォームの場合、お店が売りたいものというのは、面倒なユニフォーム作りを簡単な打ち合わせでできるもの、しかも利益がとれるもの、というのが一般的でしょうか。実際に売れているものというのは、チーム毎の受注生産ということもあって一括りにはしにくいですが、手頃な価格で、けれど選べるデザインが限定されたユニフォーム3点セットが多いでしょうか。さて、ユーザが心から欲しいものは?
 
 

2010年1月28日(木曜日)
「何を求めているかは知っておくべき」

 
ユーザというのは実際に使って効果があればよいわけで、一々商品の詳細について知識として知っている必要はありません。リモコンは操作できるが、中身の構造は知らなくてもよい、といったことです。これは野球ユニフォーム作りについても言えることです。ユニフォームの素材やら作りやらについて特に詳しくなくても誰でも買えますし使えます。しかしまた、他の製品と同様に、商品に詳しければ自分の好みにあったものを適切に選ぶこともできるというのも事実です。少なくとも、自分がユニフォームに何を求めているのか(デザイン?安さ?機能性?廃れない?)を知っていれば、販売店やメーカにそれにあった商品が存在するのかどうかは聞けます。
 
 

2010年1月22日(金曜日)
「たたき台、予算上限」

 
野球ユニフォームは、その構成・デザインによって値段がまちまちです。ここがユーザと販売店との垣根のひとつです。ユーザとしては、諸々の内容によって、妥当な価格かどうか考える。一方、販売店としては、諸々の事項が決まらないと、価格を出せない。2つが主張し合ったままだと堂々巡りです。
解決案は2つ。ひとつは、とにかくまずたたき台を作ること。ユーザの希望をできるだけ満たす内容で進めてみた場合、いくらかになるか。もうひとつは、内容にかかわらず、金額そのもとして出せる上限を定め、その中で作れるものを考えてみる。
 
 

2010年1月18日(月曜日)
「道理と理論」

 
物事には道理があって、それから外れると痛い目をみることが多いです。デザインも然り。人が一般的にどういう印象を持つかということを常に頭におきながらデザインすると、大きく失敗せず、成功する確率が高くなります。
しかし、人が自分の頭で考え出しただけの理論だと、そう上手くいかない場合も出てきます。道理も理論も、拠り所となる法則にはちがいありませんが、きちんと現実の事実から出発しているか、それに根ざしているかのちがいはあります(もちろん、きちんと検証された理論は役立つ)。
野球ユニフォーム作りにおいても、デザインの法則性をわきまえることは大切。しかし、自分だけの考えで押し通そうとすると、上手くまとまらない場合も出てきます。この場合の道理とは、チームのみんなが納得・合意できたものです。自分(だけ)はカッコイイと思っていても、チームのみんながそう思わないのであれば、「ああ、みんなの感じ方の方が正しいんだな」と思うことが道理にかなうことなのです。これはユーザと販売店に置き換えてみると分かりやすいです。ユーザはこちらのデザインが欲しいと言っているのに、販売店が「いや、別のデザインの方が絶対に良いですよ」と主張したところで商売にはなりません。どんなに販売店員の目が肥えていようとも、お客が要らないものは売れないのです(販売店をチーム内の少数派に置き換えてみてください)。
 
 

2010年1月6日(水曜日)
「芽が出るのは2年目」

 
野球ユニフォームでは、新しい商品(シャツ型、新素材など)が登場してきても、実際に人気が出てくる・たくさん売れ出すのは2年目からです。どんなにメーカや販売店が自信のある良い商品だと思っていても、最初の1年は思ったようには売れません。しかし2年目以降になると、なぜか急に売れ出します(もちろんヒットし続けない商品も数多くあるが)。
 
 

2009年12月24日(木曜日)
「テスト販売はできるか?」

 
野球ユニフォームは、追加注文への対応(=大量の在庫をもつリスク)を考えると、商品ラインナップ・デザインの種類を増やすことにメーカは躊躇します。実際に販売してみて、あまり売れないモデルだからといって、すぐに廃番にするわけにはいかないのです。もちろんメーカも、社内検討や市場アンケート等をしっかりしていると思いますが、それでも当たり外れが出てしまうものです。
たとえば、食品・料理の世界ではテスト販売というものが日常的です。まずければ売れませんが、次回から作らなければいいのです。おいしくて売れるのであれば、ちゃんとした新商品として販売する。
たとえば、自動車の世界ではテスト販売はほぼ不可能です。モーターショー等を開くことで市場の反応を推測することはできますが、テスト販売といったレベルになると半端な規模の生産となるためにコストがかかりすぎます。
野球ユニフォームの世界はどうか。小規模のテスト販売をするだけの生産小回りは効きますが、追加分のことまで考慮すると、それなりのコストがかかってしまいそうです。ここをクリアできるかどうか。追加注文への対応がしっかりしていないと、ユーザとしても我がユニフォームとしては検討を進められないでしょう。
 
 

2009年12月22日(火曜日)
「ファッションは目まぐるしく」

 
ファッションの世界は目まぐるしく変わってゆきます。1年毎に、季節ごとに、どんどん新しいアイテムが生まれてきます。これはもう人の性(サガ)です。
そうしたファッションの世界の要素を野球ユニフォームも持っています。1年毎にどんどん新しいアイテムが生まれてくる。そうでないとワクワクできない。メーカとしてはラインナップをおさえたいかもしれませんが、それがかえってそのブランドの力を失わせることになってしまいます。
 
 

2009年12月18日(金曜日)
「我が子のこころ」

 
自分でユニフォームのデザインを考えることができると、どうしても自分で考えたデザインで作りたくなるものです。一応いくつか候補を作って、みんなに見せて、投票で選んでもらって、いざ自分の好きな候補にならなかったら、正直なところ落胆ものだと思います。そんな時は、こう考えてください。このデザインは生まれてきた子供なんだと。その子の顔や性格まで決めて誕生させることはできない。これからできることはどう愛するか。
 
 

2009年12月17日(木曜日)
「メーカの実力も、チーム次第」

 
各ユニフォーム・メーカには得意なこと、不得意なことがあります。たとえば機能性がよいとか、納期が早いとか、特注が安いとか、展開カラーが多いとかいうことです。自分たちがユニフォームに何を求めるのか、それにあったメーカを選択する目をもちたいものです。残念ながら、すべての要望・需要を満たすメーカは存在しません。得意なことがあれば、その反面、不得意なことも出てきてしまうのは世の常です。たとえば機能性が本当に良いメーカ・製品なら、やはり素材や縫製にお金をかけるので金額が高くなる傾向があったりします。しかし、その金額が高いという一般的なデメリットを克服できる・気にしないチームというものもあるのです。イエロー色やオレンジ色などの珍しいカラーを扱わないという一般的なデメリットも、チームカラーがブラック色であるチームにとっては関係がありません。どんなに早い納期を誇るメーカでも、いつも余裕をもって注文するチームにとってはあまり魅力がありません。
 
 

2009年12月16日(水曜日)
「単にかっこいいではなく」

 
最近のプロ球団の新しいユニフォームを見てみると、単にかっこいいかだけではなく、その球団の伝統にのっとているかどうか、コンセプトに合っているかどうかといった点も十分考慮しているのだなと思います。単にかっこいいかだけでは、もう物足りない時代なんだなと思います。それはきっと草野球チームでも求められていることだと思います。
 
 

2009年12月15日(火曜日)
「情熱はあるか」

 
気恥ずかしい話ですが、野球ユニフォームを作ることに情熱はあるか。満足ユニフォームを作ることができるかどうかは、もうこれに尽きる気がします。デザインでも、機能性でも、価格でも、納期でも、サポートでも、野球ユニフォームにかかわるあれこれに対して真摯に向き合って情熱を注いでいるか。人類が月に行くよりはきっと簡単です。
 
 

2009年12月14日(月曜日)
「考案ブレイクスルー」

 
野球ユニフォームの醍醐味のひとつは、デザインをいろいろと検討すること。考えに考え抜いた方がやはり納得・満足のゆくユニフォームにできあがることが多いです。考え抜くということのひとつの目安は「もうダメだ、これ以上の案は出ない」「う〜ん、どうも行き詰まってしまった」という状態にまでもってゆくことです。そこにこそ壁があり、それを突破できると、本当にすばらしいデザインになってきます。
 
 

2009年12月11日(金曜日)
「簡単と省略」

 
野球ユニフォーム作りは、意外と面倒なことも多いのは事実です。ウェアの色や形、素材を選び、マークの書体、配色を決める。ウェアとマークのデザインバランスをととのえる。金額や納期についてもつめておく。
こうした面倒なことを解消・軽減しようとして、数年前からメーカ主催のユニフォームセット、特別パッケージが販売されています。良い意味での簡略化を進めたと言ってもよいでしょう。しかし果たして影響はそれだけだったのか。そうした面倒事によってしかできあがってこなかったものが失われてしまったのではないか。ユーザや販売店、メーカがそれぞれやるべきことを単に省略してしまったのではないか。この視点はこれから省みるべきだと思います。
 
 

2009年12月9日(水曜日)
「草野球で初めて作る」

 
野球ユニフォームを自由に作る・選ぶという行為は、草野球になって初めて経験するという人も少なくないと思います。むしろ圧倒的と言えるかもしれません。少年野球や学生野球の時代は、決まったユニフォームを買うだけ。デザインや素材、金額について口をはさむ余地などありません。ある意味与えられたユニフォームであって、好き嫌いはあってもそれについて深く考える必要はなかったわけです。草野球になると、自分たちで用意をする自由と、そして手間が手に入ります。
 
 

2009年12月8日(火曜日)
「どれくらいの選択肢が必要か」

 
デザインや素材等を選ぶときに、どれくらいの選択肢が必要でしょうか? 2つでは絶対に不足していて、最低でも3つは必要。しかし5つより多くなると、かえって迷ってしまうというケースも出てきます。しかし、その5つ以下という選択肢がよく吟味されたものでないと、納得できない可能性というのも高くなってしまいます。できれば20種類ぐらいをざっと(本当にさらっと)検討してみて、それから3〜5つに絞る。それをメンバーみんなでさらに絞り込む。
 
 

2009年12月7日(月曜日)
「強さとデザインは別」

 
野球ユニフォーム作りでは、プロ球団のデザインを参考にすることが多いですが、人気のある球団とそうでない球団というものがあります。生粋の球団ファンが多く集まったチームをのぞけば、そのプロ球団が強いか弱いかで選ばれているのではなく、そのプロ球団のユニフォームのデザイン性が好ましいものであるか否かで選ばれています。おそらく、10年間ずっとシーズン優勝したとしても、ぜんぜん不人気だというユニフォーム・デザインも存在することができます。たとえ毎年リーグ最下位のチームであっても、あるいはメジャーリーグのようにあまり順位にまで馴染みがないチームであっても、とにかく多くの人がかっこいいと思うデザインというのは、それだけで参考スタイルになってきます。
 
 

2009年12月3日(木曜日)
「参考スタイル以上」

 
本当にファッション・センスのある人は、有名人や雑誌や流行のスタイルなど真似ずに、自分独自のスタイルを作り上げているものだと言います。野球ユニフォームでもそれは同じかもしれません。見たことがないデザインだけれども、人を魅了してやまないデザイン。
 
 

2009年12月2日(水曜日)
「好嫌と優劣」

 
デザインは好き嫌いの面が大きいですが、優劣の面もあります。人が好き嫌いをどう感じるかということにはある程度の法則性があり、その法則性を上手く使うことができているかはデザインの優劣だと言えます。
野球ユニフォームのデザインにおいても、好みの面が大きいとはいえ、メンバーや応援者にどれだけ気に入ってもらえるか、あるいは相手チームに強そうに思わせるかは、デザインの優劣によるところもあるのです。
 
 

2009年11月30日(月曜日)
「11%以下」

 
野球ユニフォームは、チームのみんなと共有(デザインや仕様が共通)するものです。自分の思い通りにできない面も多く、いらついてしまうかもしれません。ユニフォーム作りは、要望が100%通らないものと覚悟した方がよいと言えます。新しく生まれてくるユニフォームに自分ができることは11%以下だけ。11%を楽しむか、89%にいらつくかは自分次第です。
 
 

2009年11月27日(金曜日)
「ベーシックであること」

 
奇抜な配色を作ることはできます。あるいは、最新のデザインを求めることもできます。しかし、ベーシックに作ることも十分価値があります。悪く言えば、普通で、メンバーの多くの賛成を得られやすいとなりますが、基本的なデザインであるほど永く愛される要素をふんだんに持っているとも言えます。
 
 

2009年11月19日(木曜日)
「かっこよさもオリジナリティも安さも」

 
かっこよい野球ユニフォームにしても、オリジナリティのある野球ユニフォームにしても、あるいは手頃な値段の野球ユニフォームにしても、すべてはユニフォームを着るユーザにとっての満足です。かっこよさも、オリジナリティも、安さも、満足させるための媒介にすぎません。かっこよさも、オリジナリティも、安ささえも求めないチームというのが、少ないですが実在するのです。時に、かっこよさ、オリジナリティ、安さをもって勧めることが、かえって邪魔にさえなることがありえます。
 
 

2009年11月16日(月曜日)
「納得して、満足する」

 
納得しても、満足までゆかない場合があります。しかし満足できるのに、納得できないという場合はまずありません。野球ユニフォーム作りの事前の打ち合わせで目指すのは、まず納得。価格やデザイン、機能等を検討して、「よし、これで作ろう!」となるのが納得です。この納得までいかないのに、できあがってみて満足ゆくということは難しいです。もちろん、予想以上の出来というものはあるものですが、できれば事前に納得のレベルを上げておきたいものです。
 
 

2009年11月13日(金曜日)
「他のアイテムも作りたくなる」

 
ユニフォーム作りが上手くゆくと、他のアイテムもどんどん作りたくなります。セカンドシャツに、コートに、ウィンドブレーカに、ジャージに等々。逆に言うと、関連グッズもどんどん作りたくなるほど、とても満足できる・期待できるユニフォーム・デザインになっているかどうか。そこが、新しいユニフォームを作るとき、見極めどころとも言えそうです。
 
 

2009年11月12日(木曜日)
「元はあるが」

 
どんなデザインを参考にしたのか分からないような独創的なユニフォームがあったりしますが、しかしそれとて何らかの元のデザインはあるものです。無から産まれるデザインはないということです。では、どうやってその独創的なユニフォームはできあがったのか。単なる真似ではないからこそ、きっと数多くのユニフォームを見て、そこから学べるものを吸収したのだと思います。そして、地道に試行錯誤・アレンジしていって、ようやく納得のゆくデザインにまとまったのだと思います。
 
 

2009年11月11日(水曜日)
「ひとつとして同じものがない」

 
統計として、野球ユニフォームに言える傾向というものはあります。たとえばブラックやネイビーのシャツが多いといったことです。しかし、そうしてひとくくりにされたユニフォームの中にも、ひとつとして同じデザインのユニフォームはないと言っても過言ではないかもしれません。出来上がってきた数々のユニフォームを見ると、それほど多様なのです。マーキングの似ている点、同じシャツの型番を使っている点などはあったりしますが、やはり仕上がった全体を比べて見ると、どうしてこんなにちがってくるのだろうと感心してしまいます。もともとのチームの個性が多様、あとはただそれに従ってユニフォームを作ればよいだけ。メーカも販売店もそれを手助けすればよいだけ。
 
 

2009年11月10日(火曜日)
「あと1歩ふみだす」

 
失礼な表現になると思いますが、数多くある草野球チームの中には、とにかくユニフォームを作ればいい・持てればいいというチームがいらっしゃいます。値段と納期と品質とがバランスをとれていれば、デザインにそんなにこだわらないし、オリジナリティなんかなくてもよいといった制作方針です。なんらかの考えや事情があるのでしょうから、それを否定することはできません。それはそれで尊重するべき方針なのだと思います。
しかし、あと1歩だけふみだしてもらえれば、そのチームにとっていっそう喜ばれるユニフォームにできる場合もとても多いのです。そのために必ず数千円かかるとか、数週間の打ち合わせが絶対必要であるとか、そういうことではありません(そういうケースもありますが)。わずかライン加工をひとつ付け加えるだけで、あるいはマーク配色をちょっと変えるだけで、劇的に好ましくなる場合があります。ふと浮かんだアイデアを販売店に一言相談するだけで、すぐに取り組めてしまうこともあるのです。
 
 

2009年9月29日(火曜日)
「見た目重視にも理」

 
野球は、他のスポーツと比べて、ユニフォームに求められる機能性がそれほど高くありません。つねに動き回ったり、相手選手とぶつかったりしないスポーツだからです(こういうスポーツだからこそ求められる機能性もあります)。機能性を犠牲にできると、見た目のデザインでできることが広がり、見た目のカッコ良さも大事になってきます。ここで、見た目なんかスポーツなんだからどうでもいいじゃないかと反発することは可能ですが、野球(ユニフォーム)はそういう世界だと受けとめることも大切です。そういう目で多くの選手が、観客が、ユニフォームを見るからです。これは無視できない事実・動向なのです。
 
 

2009年9月25日(金曜日)
「傾向という拠り所」

 
野球ユニフォームのデザイン。そのほとんどは好みの事柄に属します。好みなのでもうそれぞれのチームの好きにしてくださいというのが基本ですが、チームが複数の人間の集まりであることを思うと、好みで決めてしまって大丈夫だろうか(特定の個人の好みに偏りすぎていないか)と考える視点は大切です。ひとつの拠り所となるのは、他のチームも含めて、どういう傾向にあるかを知ることです。主流を選んで無難、極々少数派を避けて安全、さらに好みの要素を付け加えられれば良し、といった具合です。
たとえば、個人的な好みとして背ネームを付けたいと思っていても、傾向として90%のチームが付けないことを考慮すれば、多くのチームが付けない理由が存在するのです。その理由はほとんどの場合、自分たちのチームにも当てはまるのです。それをクリアしないことには、強権的に背ネームを付けようとしてもチーム内での反発に合ってしまいます。
あるいは、マーク配色をネイビー*レッド縁にしようか、ネイビー*オレンジ縁にしようか、ネイビー*ブルー縁にしようか、迷っているとします。いずれもそれぞれに魅力のある配色と言えますが、この候補の中では、傾向としてネイビー*レッド縁の方が圧倒的に多く、ネイビー*ブルー縁はほとんど見かけません。これは自分のチームメイトがどの配色を魅力的に感じるかに通じます。まずはネイビー*ブルー縁を避ける。ネイビー*オレンジ縁は候補にはなるが、チーム内での強い主張が必要。無難なところとしてはネイビー*レッド縁の方が良い、と言えます。
 
 

2009年9月18日(金曜日)
「勝てぬのはユニフォームのせい」

 
プロ球団ではまれにその年の成績が悪いと、翌年ユニフォームを変えることがあります。縁起の悪いユニフォームだから変えてしまおうというわけです。勝てなかった本当の原因は、実力・運がなかったことであって、ユニフォームの影響などほんのわずかでしょう。それをユニフォームのせいにするとは、馬鹿だよなあ、失礼だよなあという見方もできます。
しかし、ユニフォームを変えることで、チームの雰囲気が変わり士気が上がるということもあるわけです。むしろ、それが叶うなら、去ってゆくユニフォームにとっては本望かもしれません。負けたのはチームに実力・運がなかったからですが、その悪い雰囲気をユニフォームを変えることで断ち切って取り除くことができたのだとしたら、それこそユニフォームの恵みというものです。去りゆくユニフォームにも感謝を忘れないようにしたいです。
 
 

2009年9月16日(水曜日)
「全部お任せだったら」

 
新しいユニフォームについて全部お任せでいいからお店で考えてくれ、というのにはほとんどお目にかかったことがありません。しかし、本当に最小限の枠だけ決めて(チーム名、チームカラー、必要なウェア、最大予算、納期)、あとはお店に任せてみたら、どんなユニフォームができるでしょうか。
可能であれば、メンバー全員への聞き取りから始める。これが理想と思えます。
たしかにチーム名、チームカラー等から、筋道の立ったデザインを考案・提案することはできます。たとえばチーム名に「スター」が入っていれば、星をイメージさせるようなデザインを取り入れようといった具合です。しかし、これは本当に、チーム名にスターが入っていれば、どのチームにでも当てはまってしまうことなのです。あなたのチーム、そのチームであるべき何かを外しているとも言えるのです。
草野球のチームというのが、プロ球団のチームと決定的にちがう点は、さきに球団ありきではなく、選手しかいないという点です。球団のコンセプト、歴史、そういう観点から語りはじめても大仰に過ぎる場合があるのです。ひとりひとりの気持ち、考えを大事にできる。これはひとつの幸せなユニフォーム作りのあり方です。
 
 

2009年9月8日(火曜日)
「色の探究」

 
野球ユニフォーム作りでは、色の種類は選べますが(たとえば赤/青/黄など)、それぞれのカラーの色合いまでは深く追求できません。とりわけウェアの色になると、生地・原反の問題が出てくるので、壁に当たります。しかし、色について知れば知るほど、微妙な色のちがいというものが、とても大切に思えてくるものです。実際にその色合いのちがいによって人の受ける印象というものも大きく変わってくることも多々あります。ファッション、アパレルの世界では日々、その微妙な色合いのちがいを切磋琢磨しているところもあり、そういう面では野球ユニフォーム作りは遅れていると言えなくもありません。これは色を選べる自由の問題ではなく、物つくりの目指す高さの問題。志が低ければ、できあがってくるものもそれなりになり、やがては味気のない製品世界になってしまいます。
 
 

2009年9月7日(月曜日)
「奇跡のデザイン」

 
カッコイイと感じることに理由はいりません。その逆に、カッコ悪いと思うことにも理由はいりません。本当は理由があるのかもしれませんが、その理由の意味自体、時代とともに変化してしまいます。現在カッコイイと思っているユニフォーム・デザインは、この先もずっとカッコイイかというと、そうとはかぎりません。
しかし、日米のプロ球団を見ると、十数年、数十年、使われつづけているデザインもあります。昔もかっこよくて、今もカッコイイ。時代を超えて通じるカッコイイ理由はなんでしょうか。理屈抜きにカッコイイと言える、その理屈ではないかっこよさとは何でしょうか。ありえる答えのひとつは、すべて。形も色も文字つづりもチームのコンセプトも、すべてが上手くマッチしている奇跡的なデザインだから。
 
 

2009年8月26日(水曜日)
「期待をうわまわるものを作れるか」

 
野球ユニフォーム作りは、メンバーや販売店と事前に打ち合わせます。打ち合わせるなかで、デザインや金額がにつまってゆき、新しいユニフォームに対する期待もおおいに高まります。納品直前こそ、期待度が一番高いかもしれません。しかし最近は、カタログ内容が充実したり、事前のイメージ確認も進んでいますから、打ち合わせ内容と納品された完成ユニフォームとに大きな相違というものはありません。事前の期待度をうわまわる感激を納品時にもたらすことができるかというと、それは難しい課題になります。期待通りの物が納品されて当然という状況なわけです。
発想を転換してみましょう。設計図と完成品が同じであることは当たり前。そのことに必要以上の期待をかけても意味がない。むしろ、どれだけ素晴らしい設計図を作れるのかが、野球ユニフォーム作りではポイント。
 
 

2009年8月25日(火曜日)
「若い未来に引き継ぐ」

 
草野球チームの寿命はいったいどれくらいでしょうか。長いチームでは30年前後活動しているところもあるようですが、10年前後というチームが多いのではないでしょうか。さて、10年経てば、設立時20歳だった人は30歳に、35歳だった人は45歳になっています。歳をとれば、一般の服装同様に、野球ユニフォームにたいする好みも変わってきていると思います。おそらく、どちらかと言えば、過激なものよりも落ち着いたデザインのものを好む傾向が出てくるように思います。もしその今の好みを押し出してしまえば、チームのユニフォームが大人しくまとまります。悪く言えば、おじさん風に、良く言えば、歳相応のものにまとまるということです。チームのメンバーがみな同じような年齢ならば、年に応じたデザインの好みに大きなずれはないでしょう。しかし、これから若い世代のメンバーを加えたいと思うならば、若い世代の好みというのもユニフォーム作りに大いに反映させる必要があります。若い世代に響くものがなければ、彼らの加入もありえません(まあユニフォームのデザインにそこまでの影響力はないでしょうが)。どんな集団にでも言えることですが、若いメンバーが入ってこないと、集団は世代を超えて生き続けることができないのです。
 
 

2009年8月19日(水曜日)
「分らないほど玄人好み」

 
誰が見ても、遠くから見ても、分かるようなデザイン上の特徴は、ある意味で玄人好みではありません。分かるということは、受け入れやすい・流行りやすいということにつながります。これはこれで大切な要素です。メンバーの多くの合意を取り付けたいという時には欠かせません。しかし、流行っているものをいくら誇っても玄人の目をもっているとは言えません。
流行っているものを好まないというのが玄人の基本的なスタンス。かといって、玄人の好みは、マイナーで役に立たずカッコ悪くあってもいけません。分かりづらいような点にこだわって、はじめて成し遂げられるようなデザインの魅力。そいういうものに目を付けることができるのが玄人の視線です。
たとえばシャツの立衿。最近の草野球ユニフォームではほとんど見かけませんが、その立衿を付けることによってしか、そのチームのデザイン上の魅力が生まれないという場合があります(たんに立衿を付けるのが玄人的でカッコイイと言っているわけではありません)。立衿など、遠くから見ればわかりませんし、近くで見ても気づかない人が少なくないでしょう。たとえ一度気がついたとしても、そのあともずっと目を引かれるわけではありません。しかし、もしその立衿がなければ、そのユニフォームにはある種の魅力(高貴さ、学生野球ぽさ等々)が生まれていないのも事実なのです。その魅力こそがチームにとって大事だという場合があるのです(でもメンバーの多くを説得するのはたいへん難しい)。
 
 

2009年8月7日(金曜日)
「好みの先なのか」

 
見た目のデザインに集中してしまうと、あまりよくありません。デザインは良し悪しではなく好き嫌いの事柄であるので、野球ユニフォームのように複数の人間が集まれば、好みの完全な一致など得られないからです。
しかし全員が一致しなければならないのは、チームのあり方。そのあり方を体現するデザインとして、どれが相応しいデザインかを選ぶ。しかしまた、どれが相応しいデザインかの正解もありません。
 
 

2009年8月3日(月曜日)
「道の奥は深い」

 
たとえば武道でも茶道でもその道の奥は深いです。一歩進んだという感覚をもつことはできるかもしれませんが、「究極の」とか「完璧な」とかそういったものにたどりつくことはできないように思います。野球のプレイにしたってきっと同じ。野球ユニフォーム作りもきっと同じ。
 
 

2009年7月31日(金曜日)
「足下は手元にある」

 
次にどんなデザインのユニフォームを作りたいかばかりを考えがちですが、いま現に持っているユニフォームを見直してみるのも出発点となります。メンバーのみんなに、今のユニフォームのどこが気に入っているか、あるいはどこを変えたいかを聞いてみるとよいでしょう。気に入ったデザイン・ポイントがあれば、それを新しいユニフォームに引き継ぐのもよいですし、機能面での課題があればぜひ改善すべきです。
自分たちのチームカラーだと思っていたものが実はみんな意外と愛着がなかったり、どうでもよさそうなライン加工をけっこう気に入っている人が多かったり、メジャーを見習ってニットシャツにしたけれど暑くて着ていられないとみんな思っていたり等々、驚くような感想が出てくるかもしれません。
 
 

2009年7月24日(金曜日)
「軸はあるが、こだわらない」

 
野球ユニフォーム作りには、いろいろな選択肢があります。あまりにも選択肢が多すぎて迷ってしまうほどなので、各チーム毎に金額やデザイン等々に方針が必要です。軸となるものがないと、まとまるものもまとまってきません。しかし、その軸が細かすぎる・硬すぎてもいけません。軸はあくまでも軸なので、ハンドルの遊びに相当するものがまた別に必要なのです。こだわらない部分、あるいは柔軟に変更できる部分も大切なのです。
たとえば、あまりにも低い予算で、それを絶対条件としてしまうと、そもそも視野に入ってこないデザインが多くなってきてしまいます。予算より多少高くても、メンバーのみんなに見せたら、気にいってもらえて案外すんなりとまとまったというチャンスを塞いでしまいます。
たとえば、シャツやキャップで、色・素材・シルエット・サイズ形態・納期・金額というほぼすべての要素にこだわるあまり、そういうアイテムは存在せずプランの立てようがないという事態に陥ることもあります。世の中に自分たちの要望にぴったりのアイテムというのはなかなか無いものですから、いくつかの要素・条件ははじめからゆるめておくのが有効です。
 
 

2009年7月17日(金曜日)
「無駄な空間がある」

 
デザインにおいて空間をうまく使うことは大切です。空間は無駄と捉えられがちですが、空間というなにかがそこにはあるのです。反対に言えば、詰め込み過ぎると、ぐちゃっとしてしまい分かりづらくなったり、余裕がなくつまった感じになったりしてしまうということがあるのです。野球ユニフォームのデザインにおいても、とりわけロゴマークやワッペンにおいては、空間が大切です。
 
 

2009年7月16日(木曜日)
「必ずしも広い面積を必要としない」

 
あるものを目立たせたい時に、あるいはアクセントとしたい時に、ある程度の面積があった方が有効ではあります。とくに遠くから見た場合に有効です。
しかし、面積が広くなるということは、同時に鈍さともつながります。逆に、ほんの少しの面積だけの方がはるかにインパクトがあるということもあります。たとえば、ライン加工。太ければ太いほど目立ちはしますが、細い幅の時にしか表現できないものを失ってしまいます。たとえば、帽子の天ボタンやツバ先の別色。ツバ全体に色を付けるよりも目立ちにくくはなりますが、これはこれで人目を引きつけるものがあります。たとえば、胸マークで「i」の上部にある丸・点部分だけを別色にすること。全体に色を付けるよりも、なにか意味があるのだなと感じさせてくれます。
 
 

2009年7月14日(火曜日)
「角度を変えて輝くかどうか」

 
光沢感というのは、光のあたる角度を変えて輝くかどうかだと言えます。たとえば、ホワイトやイエローは、色の性質として光を反射している方ですが、それでも素材によっては光沢感がないものもあります。たとえばニット地であると、いくらホワイトであっても光沢感がおさえられます。ブラックやレッドであっても、たとえばサテン生地やエナメル素材のようなものになれば、光沢感が出てきます。
 
 

2009年7月13日(月曜日)
「カスタマイズの意味」

 
世の中の製品には、カスタマイズできる物が少なからずあります。たとえば自動車やパソコンでは、いくつかの部品・性能を選べ、自分なりの製品に仕上げることができます。しかし、大筋その型番から外れるわけにはゆきません。そういう観点と比べると、野球ユニフォームのオリジナル・オーダというのはちがった面が多いです。たしかに野球ユニフォームでも、シャツ型番やマーク書体を選んだりはしますが、その組み合わせによってできあがるものは本当に多種多様です。チューンナップではなくクッキングの方が近いかもしれません。料理の素材はたしかに現実に存在するものの中から選びますが、その組み合わせや調理法によってはまったく違う料理ができあがります。
 
 

2009年7月8日(水曜日)
「上に向くと攻撃的」

 
形・線が上を向いていると、攻撃的な印象を与えることができます。当然、反対に下を向いていると、弱々しい印象につながります。たとえば目。つり上がった目はどこか攻撃的で、たれ目はやさしい感じになります。こうした印象の性質は、野球ユニフォームのデザインにも当てはまってきます。とくにマーク書体やワッペン・デザインでは影響が大きいと言えます。尻上がりになっている書体や上にむかってとがっている図形の方が強そうに見えます。
 
 

2009年7月7日(火曜日)
「数年に1回」

 
野球ユニフォームを作り替えるのは数年に1回。毎日の買い物とはちがいます。数年経つと忘れてしまうこと、変わってしまっていること、驚くことが、多々あるはずです。同じように、たまに買い換える家電製品や自動車などでもきっと同じことでしょう。そういった時の買い物方法、検討方法を思い出してみると、野球ユニフォーム作りでも役立つかもしれません。
 
 

2009年7月6日(月曜日)
「シンプルな練習用シャツに学ぶ」

 
プロ野球でも草野球でも、あるいは学生野球でも、練習用シャツはとてもシンプルです。たいてい片胸マークとなっており、カラーも1色であることが少なくありません。シャツ本体も柄も単色であることも多いです。練習用シャツだからあまり予算をかけても仕方がないという動機がはたらいていますが、この良い意味での脱力感が、「おっ」と思わせるデザインを生み出すことがあります。ある種のシャープ感が際だってくると言えます。メインのユニフォームでは「強く見えるようにしよう」とか「他チームにないかっこよさを」といった動機がはたらいて、わりとコテコテにデザインしてしまうことがあります。これはこれで強そうだったり、カッコイイわけですが、その方向とはちがう発想が出にくいとも言えます。
 
 

2009年7月2日(木曜日)
「流行の反動」

 
野球ユニフォームにも流行があり、また、その反動もあります。たとえば、レッドが流行った年があれば、翌年以降レッドはいくらか落ち着きを見せます。あるプロ球団のデザインが流行れば、数年経つとぱったりと出なくなります。
流行っているデザインというのは、工場・生産状況をのぞいてみると、本当にこれでもかこれでもかというくらい注文・需要が入っていて、一面同じデザインだらけということもあるほどです。ある種異様な光景ですが、工場から出荷されて日本中に散らばってゆけば、相当希薄化してゆきます。しかし、それでも一定のレベルを超えて流行り出すと「なんか最近、このデザイン多くない!?」となって、そのデザインへの反動・拒否反応(良い意味でのオリジナリティを求める動き)が出てくるのかもしれません。
 
 

2009年6月24日(水曜日)
「面倒の先にあるもの」

 
オリジナルの野球ユニフォーム作りは、本当に面倒で大変です。しかし一度その面白さを味わうと、作る課程の面倒さというものも楽しさの一部だと感じられるようになります。しばしば、買い物は買う瞬間までが楽しいと言われますが、それは野球ユニフォームでも同じです。それが少々たっぷりと味わえると思ってみてください。
また既製品でない、オリジナルであることの価値は、その後も実感できるものです。どんなチームにもユニフォーム・デザインに詳しい人がいますから、その人から見るとなるほどなとほめてもらえることがあるものです。
 
 

2009年6月18日(木曜日)
「動きの中でどう見えるか」

 
野球ユニフォームのイメージ、イラストでは、モデルがほぼ正面を向いて立っているか、あるいは、平置きの状態であることがほとんどです。これには動きがありません。野球らしさがないとも言えます。動きの中でユニフォームが見せる姿はまた別のものです。また、はっきりと分かる大きさで表示されます。たとえば、外野から見た投手や打者はどう見えるでしょうか。小さなこだわりでは何の違いもないほどです。
 
 

2009年6月9日(火曜日)
「できなくはないが、できない」

 
野球ユニフォームでは、技術的にできなくはないが、実際には注文・制作できない、というものが少なからずあります。たとえば、プロ球団とまったく同じユニフォームを作ることは技術的に可能ですが、権利・法律の関係上、勝手に作るわけにはゆきません。ショッキングピンク色のユニフォームを作ることはできますが、ほとんどまったくそうした需要はないので、特別オーダとなってものすごく高い費用がかかってしまうという意味では作ることができません。他にも小さなことでいろいろな制約があって、素人目に見ると簡単にできそうですが、実際には不可能である(現実的ではない)ということが出てきます。もうそういう時は黙って納得していただくしかありません。たとえると、同じ自動車に関する要求でも、普通乗用車とF1カーでは求めることができるものがちがってくるということです。
 
 

2009年6月5日(金曜日)
「無いものを見えるようにする」

 
野球ユニフォーム作りは、チーム毎の受注生産という性格がとても強いです。一般の商品とはちがって、目の前に存在してはいません。つねにこれから作るものなのです。しかし、何をどう作っていけばよいのか、という想像力を駆り立てるものは必要です。まったくの無から独自のユニフォームを作り出せる人・チームもいるでしょうが、やはりカタログやら他のチームやらを参考にするものです。しかし、その見えるものにとらわれてしまうと、想像力が狭められてしまいます。外からの情報ではなく、内からの想像力で、作ってゆく。それが大切だと思います。
 
 

2009年5月25日(月曜日)
「作るというスタンス」

 
野球ユニフォーム作りは、もちろんお金がかかわります。しかし、作るというスタンスが大事だと思います。目の前にある商品を買うのではなく、自分たちの思いとおりに作る。メーカや販売店も単に売るのではなく、作る。売り買いで判断すると、見失ってしまうものも多々あるように思います。
 
 

2009年5月13日(水曜日)
「奇抜だと思ったら、古い」

 
野球ユニフォームの世界では年々、新しいデザインや技法が生まれています。その新しいものに対して「なんか奇抜だ」「野球らしくない」といった感覚をもし持ったならば、逆に自分の感覚が古いのだと諌めるぐらいでよいように思います。たしかに、あまりに新しすぎて・奇抜すぎて世の中に広まってゆかないもの、定着してゆかないものも多いかもしれません。しかし世の中に出てきてこうして目にふれた以上は、そこに何らかの息吹があるわけです。そこを感じとる、見逃さないようにしなければと思います。
 
 

2009年5月1日(金曜日)
「プロ選手はガタイがいい」

 
しばしば、プロ野球団のユニフォームがかっこいい、そういうデザインにしてくれないかとご要望をいただくことがありますが、草野球ユニフォームにしたときに必ずしもかっこよくなるかというとそうでない時もあります。根本的な差としてプロ選手の方がよりがっちりした体型であり、その体型を前提としたユニフォーム・デザインになっていることも多々あるからです。デザインは1mm、2mmの差が物を言う世界でもあり、その数mmを活かすためにも必要な体型=モデルというものが出てくるのです。
 
 

2009年4月30日(木曜日)
「モチベーションを高める」

 
野球・スポーツにとって、モチベーションを高めることは大事です。しかしそれはプロ選手でも難しいと言われています。ユニフォームがそれにほんの少しでも一役買えるならすばらしいことです。やる気になる、楽しくなる。それらはたしかに心の事柄ですが、物=ユニフォームが手助けをしてくれたっていいじゃないですか。
 
 

2009年4月28日(火曜日)
「時代によるかっこよさ」

 
なにがカッコイイかは時代が決めると言っても過言ではありません。今ではストレートパンツがかっこいいスタイルと見られていますが、10年すこし前までは存在すらしておらず、つい最近まで不謹慎なスタイルとされてきました。他にも、シャツがゆったりしたシルエットが主流になったり、帽子シルエットが丸みをおびたりといったカッコよさも、つい最近になって認められてきたことです。
たしかに、自分自身でなにがカッコイイかを決めることは大切です。また時代を超えてカッコイイと判断されるものもあります。しかし、野球ユニフォームは一人で作るものではなく、チームで=多人数で作るものです。ある程度、流行にそった判断をしないと、メンバーから総スカンをくらうことになってしまいます。
 
 

2009年4月22日(水曜日)
「実はこだわっていると分かる」

 
近くで見ないとよく分からないほどのこだわりが、時として野球ユニフォームには見られます。たとえば、紺1色のマークに見えたものが、よく近づいてみると紺*青*紺となっていたりします。細い赤1色ラインに見えたものが、よくよく近づいてみてみると、赤*紺*赤の3色ラインになっていたりもします。近づかないと分からないなんて意味がないというのは一理ありますが、意外と遠くから見ても「なんか変だな」「本当に1色かな」「何とも言えない魅力がある」といった風に感じ取れるときが結構あります。
 
 

2009年4月21日(火曜日)
「創造的であれば」

 
オリジナル野球ユニフォーム作りは、オリジナルだけあって、とても創造的なものです。手間暇がかかるのは当たり前と言えます。作業やシステムの簡略化、効率化を求めることは大事ですが、創造性をそこなうようでは意味がありません。もっと楽しくスムーズにオリジナル野球ユニフォームが作れるように環境をととのえる、というのは大事です。
 
 

2009年4月3日(金曜日)
「なんとなく同じに見える」

 
野球ユニフォームに詳しくない人から見ると、ちょっと違うぐらいでは、同じユニフォームに見えてしまいます。せっかく書体にこだわったり、シャツの切替配色について考えたのに、「対戦相手と同じデザインじゃん」「前とあんまり変わらないユニフォームだよねえ」と見られてしまうこともあります。チームが大事にしてきたデザインの要素はそれはそれで大切ですが、従来とはちがう・他チームとはちがう何か強烈なアクセントとなるようなものがないとユニークさが分かってもらえないことも少なくありません。
 
 

2009年3月25日(水曜日)
「デザインに不正解はあるが正解はない」

 
たとえば、マーク書体で力強さを出すならば、文字の線を太くする必要があります。細い線なのに、力強さを感じることはまずありません。しかし線が太ければ、力強さを感じるかというと、そうでもありません。角が丸まっていれば優しく親しみやすい雰囲気が出ますし、ところどころが尖っているとシャープな感じになり、度が過ぎた太さだと鈍さが出てきてしまいます。
たとえば、シャツに強烈さを出したいと思っているのに、ブルーやブラックを使っていると反対に冷たさしか出ません。では、レッドやイエローを使えば必ず強烈さが出るかといえば、後に付くマークによってはまた違った雰囲気の方を強く感じることもあります。
デザインは好悪の事柄です。しかし、人にどう感じさせたいかにおいては、おおむね、やってはいけないことがあります。そのポイントだけは外すことが重要です。しかし意図した通りの印象を生み出せるかというと、それにはさらに複数の要素がからんでくるので答えはありません。
 
 

2009年2月12日(木曜日)
「風合いvs生地目・表面感」

 
風合いあるいは質感というのは、物のもつ性質や特徴が表にあらわれたもの全てと言えます。単なる生地目や表面感ともちがいます。その物が固いのか柔らかいのか、厚みがあるのか薄いのか、伸縮性があるのかないのか、丈夫そうなのかそうでもないか、肌に触れた時にどういった感じなのか、そういったものすべてが渾然一体となったものを風合いと呼べます。ウェア生地やマーク素材などを見るとき、客観的なポイント・ポイントで見るだけでなく、全体的な印象も大切にすると、それで十分個々の性質を把握し判断していることも少なくありません。
 
 

2009年2月5日(木曜日)
「ずっとドキドキワクワク」

 
新しい野球ユニフォームなら、出来上がって初めて見たときは、どんなチームの誰であってもきっと喜び驚くことでしょう。しかし、その後の練習、試合でも、ずっとそのドキドキワクワクが続くかというと、それはなかなか難しいことです(野球ユニフォームにかぎらずどんな製品にも言えることですが)。でも、そのチームのためだけに作るという性格の野球ユニフォームなら、その可能性があるのではないか、それを目指して作るのが楽しいのではないか、と思います。着るたびに喜びを感じる、気合が入る。そんな野球ユニフォームが理想かもしれません。
 
 

2008年12月11日(木曜日)
「いい物ができた」

 
「いい物ができた」という感覚を、ぜひ野球ユニフォーム作りでも味わっていただきたいと思っています。たんにユニフォームが痛んできたからさっさっと選んでしまって買い換えたというのではなく、選んで考えて悩んで、その結果すごく納得・満足ゆくものができたということがあるうるのだということを想像してみてください。野球ユニフォームはオリジナル・オーダという性格が強いですから、世の中にたくさんある既製品やカスタマイズ製品とはまったくちがった楽しさ・魅力があるのです。
 
 

2008年12月5日(金曜日)
「最長1年」

 
野球ユニフォーム作りは細かく打ち合わせると、本当にいろいろな事項が出てきます。きっちりメンバーみんなにも検討・確認をしてもらうと、たくさんの時間・日数が必要です。最長で1年。それくらい打ち合わせるチームもいるほどです。気長に打ち合わせる。余裕をもってのぞむ。
 
 

2008年11月27日(木曜日)
「プロ球団のデザイン構想法」

 
プロ球団では近年、新しいユニフォームを構想・採用するときに、まったく新しいデザインを採用することが多くなってきています。既存のシャツ種類やマーク書体をベースとするのではなく、球団のそもそものコンセプトに沿って一から組み立てています。彼らの思考法は「どのシャツやマークがかっこいいか」ではなく、「どういうデザインにしたら自分たちの球団らしいか(同時にかっこいいか)」だと言えます。
草野球のユニフォーム作りでは、プロ球団と同じ方法を採用するわけにはゆきません。やはり基本的には、メーカ・ラインナップ(特注・別注を含む)の中から選ぶ必要があります。しかし、単にどれがかっこいいかと選ぶのではなく、自分たちにふさわしいのはどれかという観点に重点をおいて物事を見るというのは、プロ球団に見習うべきところがあると思います。
 
 

2008年11月18日(火曜日)
「技術の法則は1つじゃない」

 
直線を使って円を描こうと思ったら、いくつもの直線が必要です。線が4つしかなければ四角形で、12個あっても十二角形にしかなりません。きれいな円に近づけたければ、できるだけたくさんの直線が必要です。
野球ユニフォーム作りもそれと同じです。野球ユニフォームに固有の法則、あるいはデザイン一般の法則をたくさん適用できるほど、すばらしいユニフォームに近づけることがきっとできます。
 
 

2008年11月13日(木曜日)
「挑戦の気概と最適化」

 
野球ユニフォームにかぎらず、きっとどんな衣服や商品でも言えることですが、新しいもの・より良いものを作ろうという気概があって、ようやく同じレベルの製品を維持でき、ほんのすこしの幸運がめぐってくると一歩だけ進んだものが作れるような気がします。これまでと同じでいい、それほどこだわりがない、といった心持ちでは、どんどん物作りが衰退してゆくように思います。人には物事を最適化する能力がそなわっており、それがよく働ければ、1回目より2回目の方が、2回目よりも3回目の方が上手くゆきます。それは前進への方向性があってはじめて向上・改善として機能するのであって、前進への方向性がなければ単なる省略化になる危険性があると思います。
なにが言いたいのか。楽しみつつ、もっとすばらしい野球ユニフォームを作ろう。
 
 

2008年11月6日(木曜日)
「ほれぼれ闘志」

 
野球ユニフォーム作りでは、多少の機能を犠牲にしても(重くなる、固くなる等)、かっこよく見えるかどうかに徹底してこだわってよいと思います。野球ユニフォームほど、スポーツウェアとして機能的でないものも珍しいです。ユニフォームがかっこよくないばかりに、やる気が出てこない・闘志が湧いてこないといった精神的なデメリットもありえます。それよりは「オレたちって強そうじゃん」と過信(誤信?)してしまうぐらいのかっこいいユニフォームでちょうど良いと思います。
 
 

2008年10月22日(水曜日)
「カタログのカラー展示に学ぶ」

 
野球ユニフォームを考えるときには、自分たちのメインのチームカラーを定め、それを中心にデザインを比較検討してゆくことが多いです。チームのメンバーが大筋合意している場合には効率的な検討方法と言えるでしょう。けれど、これはある種、閉じた世界のなかの比較、細部の検討と言え、ときにアイデアや決断がつまってしまうこともあります。
世の中のいろいろな商品には、カラーのヴァリエイション・選択肢があります。自動車しかり、衣服しかり、携帯電話しかりです。それらのカタログあるいは店頭展示を見てみると、選べるカラーが一堂にそろって初めて伝わってくるものがあります。
野球ユニフォームはオーダー商品という性格がとても強いですが、他の製品と同じようなカラー・ヴァリエイション(ウェア型番やマーク書体はまったく同じ、ただ配色がちがうだけ)を同時に展示・検討しみると、新鮮な何かを見出せるかもしれません。
 
 

2008年10月21日(火曜日)
「プロ球団vsカラー別スタイル」

 
カタログやホームぺージ等で、野球ユニフォームの参考デザインを分類する仕方は、これまでプロ球団毎に展示するのが多かったです。しかしここ数年では、カラー別のスタイルにまとめて(たとえばブラック・スタイル、ネイビー・デザイン等)展示することも増えてきました。プロ球団にとらわれないデザイン。それが極自然なことになってきたのだなと思います。
反対に、こういう時勢にあってプロ球団のデザインをできるだけ参考にするチームというのは、本当にその球団のユニフォームに好意・尊重をもっているのだなと感じます。そのコンセプトや歴史を、自分たちのチームの状況もふまえたうえで、とりいれてみる。相手をおとしめるための模倣ではないならば、真似るということは人間の向上力のひとつだと思います。それは野球ユニフォーム作りでもきっと同じです。
 
 

2008年10月20日(月曜日)
「変な組み合わせ」

 
「ええぇ、それはないだろう?!」というデザインの組み合わせの野球ユニフォームにたまにお目にかかりますが、よくよく調べてみると過去に採用していたプロ球団があったり(それを参考にしたかは不明)、数年すると人気・需要が伸びてきたりすることがあります。
たとえば最近では、ストライプのユニフォームにライン加工をほどこすというのがありました。たしかに20年以上前にはわりと普通のことでしたが、ここしばらくではあまりないご注文。しかし近年、その割合がすこし増えてきました。あるいは、身頃がカラー生地で、袖がストライプというシャツ。傾向としては逆の組み合わせの方が多いのですが、その逆もまた立派なデザインです。
とにかく自由な発想で。あまり決めつけないというのが、野球ユニフォーム作りの基本心構えのひとつかなと思います。
 
 

2008年9月16日(火曜日)
「同じ価格だったら」

 
たいていの場合、希望するユニフォーム・デザインとほとんど同じ金額で、まったく別のデザインのユニフォームを作ることが可能です。ほぼ同じ金額で別のデザインを提示されても、自分たちの希望にゆらぎがないか。ユニフォームのデザインは良し悪しではありませんが、確固とした答えのようなものは必要かもしれません。
希望デザインに対して絶対的なこだわりがない時は、販売店に対して同じような金額でもっと良いプランがないか、聞いてみるのもよいでしょう。好みや方向性はちがってくるかもしれませんが、意外なデザインが提示されてくるかもしれません。
 
 

2008年8月22日(金曜日)
「わずかの差が活きてくる」

 
野球ユニフォームは、細かい所のデザインにこだわろうと思えば、いくらでもこだわれます。たとえば、ライン加工の幅が5mmなのか8mmなのか。わずか3mmの差ですが、出来上がってくる印象はちがいます。たとえば、最近人気の高まってきた、帽子のツバ先端に色を付けるのかどうか。ほんの少しのちがいですが、それでデザイン全体が変わってきます。
そのわずかの差を変えようかどうか思いつく人・悩む人は、チームの中には少ないかもしれませんが、実際にイメージで比べてみると、誰もがその印象のちがいを分かるほどです(分からないような差もありますが)。少なくとも、どこかどうちがうのか指摘できなくても、なんとなくこっちの方がいいかなぐらいは分かるものです。
 
 

2008年5月20日(火曜日)
「考えるのはタダじゃない」

 
単色シャツがよいという人もいれば、1色マークがよいという人もいます。特注シャツや3色マークが必ずしも豪華で素敵だとは限りません。たとえ豪華で素敵であっても必要がない、関心がないという場合もあります。
ただ、考えることに贅を惜しんではいけないと感じます。たとえ単色シャツでも1色マークでも、じっくり考えるべきデザインの分岐点が出てくることが多いです。まあ、直観的に「コレだ!」というデザインもありますが。
 
 

2008年5月13日(火曜日)
「らしくない、今までにない」

 
野球ユニフォームにおいて、野球っぽくないデザイン、あるいは、これまでのそのチームらしくないデザインを求めることは案外と簡単です。難しいのは、今までにないデザインでありながら、みんなが野球っぽい、自分たちのチームらしいと思えるバランスのあり方です。野球っぽさや自分たちのチーム感に対する感覚は人それぞれ。次に大事なのは「みんな」の範囲を決める、あるいは「みんなの感覚」に対する想像をはたらかせることです。
たいていの草野球チームではメンバーが「みんな」の範囲ですが、プロ球団や学校では外野の方が人数が多かったりもします。
 
 

2008年4月1日(火曜日)
「伝統と常識」

 
野球ユニフォーム作りでも「これがウチのチームの伝統です」といった語り方がされる場合があります。ところで、伝統とは何でしょうか?
伝統とは人の意識です。それが良い、それが当たり前だと思っている人が伝統そのものです。伝統という物が実在するわけではありません。形式やルールでもありません。だから人が変わると伝統も変わってゆきます(失われることもある)。
常識もまた人の意識です。常識の具体的な中身はもちろんありますが、常識そのものが実在するわけではありません。では、伝統と常識の差は何でしょうか?
おそらく「誇り」「愛着」といったものです。もし長く採用される野球ユニフォームを作りたいと思ったら、誇りや愛着を感じられるようなデザインを求めるのがよいと言えます(デザインだけでなく着用してのプレイもかかわってきますが)。
 
 

2008年3月24日(月曜日)
「意図的に外す」

 
ユニフォームのデザイン設計の基本は、もちろん、各チームのご希望にそうことです。黒シャツを希望するチームに赤シャツを薦めることはありません。
ただ、意図的に少しずらしたデザインを投げかけてみることがあります。黒*白シャツを希望するところに、白*黒シャツのデザイン案も投げかけてみることはあります。販売スタッフも本当にその案が良いと考えているわけではなく、対比として投げかけているのです。そうした行為によって、わりと高い確率で、ブレイクスルーが起きることがあります。あまり変わり映えのしない同じようなデザイン案同士を比較してみるよりも、思い切って別の方向性をもったデザイン案を比較してみることが時に役立ちます。
 
 

2008年2月14日(木曜日)
「ワガママとアキラメを避けるために」

 
野球ユニフォーム作りでは、デザイン、価格、納期など、さまざまな要素がからみあいます。
ほとんどのチーム様は高いご要望・条件をお持ちですので(笑)、それらを全部通そうとすると、メチャメチャ高いがそれ以外は希望通りの案か、あるいは超安いがそれ以外はぜんぜんダメな案か、そのどちらかになってしまいます。
そんな案はユーザの皆さんも販売店も望むものではありません。では、どうするか?
「ここだけは絶対に譲れない」、そういう条件をまずしっかり決めていただきたいです。軸足がしっかりすると、じゃあ、残りの要望をどうすれば適えられるか(あるいは無理なのか)を前向きに考えてゆくことができるようになります。
 
 

2008年1月28日(月曜日)
「時間をおいて冷静に」

 
野球ユニフォーム作りでは、いくつかのデザイン案、見積もり案が出てきます。即断即決で決めてしまうこともできますが、時間をおくことも大切です。
新しいユニフォームは、ある種の興奮をもってむかえられます。うかれた状態での判断。明るい希望に満ちた精神状態。そんな時に安定して立派な判断ができるでしょうか。
時間をおいて冷静に。たとえば、自分がプロ球団のゼネラル・マネージャだったら。財務担当だったら。ブランド・マネージャだったら。

 
 
トップページ   >   製品   >   野球ユニフォーム   >   はじめての野球ユニフォーム作り   >   心構え編



販売条件やご注意点
Copyright (C) 2001-2013 unifo corporation All rights reserved