2011年5月19日(木曜日) 「ラインは1色がよいか、2色以上がよいか」 チームカラーは、たいてい2色以上です。たとえば、主ネイビー*副レッドといった具合です。この時に採用するライン色は、1色がよいでしょうか、それとも多色がよいでしょうか? たとえばネイビー1色がよいか、ネイビー*レッドがよいか、ネイビー*ホワイト*レッドがよいか? 一般的にライン色は、1色の方がシャープに見えて、多色になると力強さが出てきます。それぞれ逆の視覚効果もあるわけで、1色だと細く頼りない、多色だと鈍く重たいといったマイナス印象も出てきます。要はその兼ね合いです。 くわえてチームカラーとして、とりわけパンツのライン色は、1色と多色どちらがよいでしょうか? というのは、シャツにおいては、たいていマーク文字*ふちどり(たとえばネイビー文字*レッドふち)において、主カラーと副カラーが採用されていますので、ライン加工はネイビー1色でもネイビー*レッドといった多色でも、好みの事柄と言えます。 しかしパンツ単体で見ると、ホワイトパンツ*ネイビー1色ラインでは、副カラーのレッドが入っていません。どうも物足りないなという気もします。では、ネイビー*レッドの多色ラインとするとどうか。これはこれでチームカラーを全部採り入れていてよいのですが、レッドの比重が強くなってきています。 つまり、ライン色をメインカラーだけにするのか、サブカラーも入れるのかで、ユニフォーム全体でサブカラーがどれくらいの比重を占めるのか、チームがサブカラーをどれだけ重視しているかに影響を与えるということです。メインカラー7:サブカラー3ぐらいの位置づけであるならば、ライン色はメイン1色の方がよいです。ライン色にまでサブカラーが入ると、メインカラー6:サブカラー4ぐらいの印象になってきます。ロゴマークでチームカラーが十分使われているのであれば、ライン色はメインカラーだけでも十分というのが基本路線です。 2010年1月12日(火曜日) 「切替シャツにもライン加工」 切替シャツ(コンビネーションシャツ)や特注シャツにも、ライン加工をほどこすことができます。切替シャツや特注シャツというと、シャツ自体に豪華さ・見栄えがしますが、さらにライン加工を加えることで、力強さやシャープ感をプラスできます。これは単色シャツの時と変わらない効果です。 2010年1月8日(金曜日) 「とりわけフロントライン加工、サイドライン加工」 ライン加工は、ユニフォームに力強さ、シャープ感、色のアクセントを与えてくれます。とりわけフロントライン加工(シャツ正面から見てY字に見えるライン)とサイドライン加工(パンツ横の脚に沿ったライン)がそうです。デザインになにか締まりがないな、足りないなと思ったら、フロントラインやサイドラインを付け加えてみるとよいでしょう。 2009年4月24日(金曜日) 「複数ライン箇所のカラー」 シャツやパンツにはライン加工をほどこすことができます。衿や袖、脚など複数箇所にほどこす場合も多いですが、そのカラーを統一させる必要はありません。それぞれの箇所でまったく別のカラーを採用してもよいわけです。統一感という意味では、カラーをそろえた方が無難ではありますが、もともとライン加工はアクセントの要素。ところどころにちがうカラーを使ってみて、ユニフォーム全体がかっこよくなれば、それに越したことはありません。 2009年3月9日(月曜日) 「非均等ライン」 ライン加工では、複数のカラー(といっても最大3色)を使うことができます。たとえば赤*黒といった具合です。それぞれの色の割合は通常、均等にしますが、場合によっては非均等にすることもできます。赤1:黒1ではなく、赤2:黒1といった具合です。チームカラーには、メインカラーとサブカラーがあり、メインの方が主役。ならばライン加工においても、メインカラーの割合を多くするというのもありです。 2008年12月24日(水曜日) 「メーカ毎のライン加工」 ライン加工の仕様はメーカ毎にちがってきます。ラインナップされている幅もカラーもちがいます。単色であればたいていは大丈夫ですが、ちょっとマイナなカラー(たとえばピンク)になったり、複数色ラインになると、可能なメーカとそうでないメーカが出てきます。幅もおおむね細い・中くらい・太いの3区分はありますが、ミリメートル単位でみるとちがってくること(たとえばA社では5mm幅で、B社では6mm幅)が多いです。 しばしば「パンツはAメーカで、ライン加工はBメーカを取り付けられますか?」というご質問を受けますが、それは不可です。A社の製品をB社の工場に持ち込むわけにはゆきません。 2008年9月26日(金曜日) 「ライン幅の別注はできない」 ライン加工で、配色の特注・別注は可能です。たとえば、レッド*ホワイト*ブラックの10mm幅が定番選択肢になかったとしても、特注・別注であればまず可能です。 けれどライン幅の特注・別注はできません。たとえば、5mm幅・10mm幅・15mm幅がラインナップされているメーカにおいて、12mm幅というは対応できません。できない理由のひとつは、むやみやたらに幅の種類を増やしたくないからです。もうひとつは、シャツやパンツに取り付けるためのミシンもからんでくるからです。通常使わないライン幅のためにミシンの設定を変えるわけにはゆきませんし、場合によってはミシンそのものを新たに製造する必要性さえ出てきてしまうからです。 2008年7月11日(金曜日) 「細いライン加工が人気」 ライン加工の幅にはおおむね5種類があります。5mm、10mm、15mm、25mm、30mmです(メーカによって数mm前後する)。 一番細い5mm前後がもっとも人気があります。程よい力強さとシャープ感、チームカラー度をシャツやパンツに与えてくれます。 5mm幅以上となると単色ラインではなく複色ライン(2色コンビ、3色コンビなど)を使えるという魅力が出てきますが、全体のコーディネイトを考えるのも難しくなるので、5mm幅の単色の方が選ばれるのかなとも思います。 2008年6月11日(水曜日) 「ライン加工とパイピング」 パイピングはここ4〜5年で登場・定着してきた新しいシャツの装飾法です(コートにも採用される)。ライン加工とちがうのは2〜3mmと細いこと、やや立体感があることです。ライン加工は一番細くても4mmほどで、平たいものです。ライン加工はメーカによってはテープと呼ばれたりもしています。 ライン加工はシャツに後から取り付けることができますが、パイピングは基本的にシャツの縫製段階で取り付ける必要があります。細い線ですので後から取り付けるには技術的に難しいのです。ですからパイピングは特注・別注シャツか、元々パイピング有りの定番モデルに限られています。 ライン加工もパイピングもシャツの縫製区切りに沿って取り付けられるのが基本です。なにか目印がないと取り付けにくいというのも理由のひとつです。もうひとつの理由は、シャツの区切りというのは人体の構造・動きに適うものになっていることが多く、それに沿ってラインやパイピングを取り付けても機能的なマイナスが少ないからです。ラインやパイピングは素材としては伸縮性がない方で、やたらに取り付けるとシャツの伸縮性・動きの自由度を阻害することになってしまいます。 2008年5月22日(木曜日) 「ライン加工はシャツに強さを与える」 ライン加工のデザイン的な機能・意味は、シャツ本体に強さを与えることです。ここで言う強さとは、力強さ(Power)のことではありません(シャープ感やスピード感を強調するケースもあります)。マークに負けない、引けをとらないという意味での強さです。 ユニフォーム・シャツは、シャツ本体とマークがいったいとなって初めて意味を成します。マークばかりが目立ってしまってはいけません。もちろん反対にシャツ本体ばかりが際立ってもいけません。 単色シャツにライン加工を付けることが多いですが、それは単色シャツだけだとマークに負けてしまうケースが多いからだと思います。反対にコンビネーションシャツではライン加工を足さなくても、十分マークと釣り合いがとれることが少なくありません。 2008年5月16日(金曜日) 「ライン加工は奥深い」 ライン加工は奥深いです。位置、幅、色などが多岐にわたるのがポイント。どれがいいかを直接的に指定するというよりも、組み合わせ方によるパターンが急速に増えて難しくなるのです。 ライン加工にも一般的な傾向・方向性というものはあります(たとえば細い線はシャープで、太い線は力強い印象)。しかし、シャツ種類やマーク書体などと比べると、つねにユニフォーム全体のデザインと関連付けて考える必要性が高いのもポイント。 ライン加工はユニフォームに与える影響が大きくはありませんが、そこがかえって独立した考察・設計を難しくしています。 2008年4月23日(水曜日) 「ベルトループのライン加工」 パンツの、左・右・真後の3箇所のベルトループ(ベルト通し)に、U字型にライン加工をほどこすことができます。ベルトループに箇所にライン加工をしているプロ球団はとても少ないです。草野球でもほとんど見かけません。力強さが出るので好きな人にはこだわりたい箇所ですが、こてこて感も出てしまうと言えば出てしまいます。 ベルトループへのライン加工代は基本的に、他の箇所と同じです。しかし手間を考えると3〜4倍は取ってもよいのではと思います。ベルトループは通常パンツに縫い付けられていますので、ライン加工をほどこすのは一苦労だと思います。 2008年1月29日(火曜日) 「ライン加工の別注カラー」 数年前と比べると、ライン加工の別注カラーも気軽に採用できるようになりました。 以前は、ライン別注は30着以上じゃないとダメ、みたいなところがありました。今は、価格+\500程度、納期+2週間程度で対応可能です。 背景としては、特注・別注シャツの需要が増えたことがあります。シャツを別注カラーにする際に、ライン加工も別注になることが多く、その面から設備やシステムが整えられてゆきました。 |