2013年11月13日(水曜日) 「黒が入ると引き締まる」 ウェアやマークに黒が入ると、引き締まった印象になります。それはほんの少し、たとえば細いラインであるとか、影マークであるとか、そういった部分でも有効です。別の言い方をすると、黒が入るか入らないかで、まったく別の印象になるということです。 ジュニアのチームでは、さわやかさや明るさの印象を大事にすることが多いので、黒をまったく使わないという軸をもつことも大事です。たとえばオレンジというのは、明るくて角の少ない色で、ジュニアにも似合いますが、オレンジ*ブラックとなると、これは大人向けカラーです。オレンジとブラックそのものは色の組み合わせとしてはとてもよいのですが。 2013年11月6日(水曜日) 「レッドではなくオレンジを選ぶ意味」 野球ユニフォームで、メインカラーにしてもサブカラーにしても、レッドよりもオレンジを選ぶチームは少ないです。おおまかな割合で9:1です。一般のアパレルではもう少しオレンジの割合が増えると思います。 レッドとオレンジはともに暖色系、つまり明るさ・温かさの方向性をもちます。ちがいは、レッドの方が強さ・激しさをもっていること。オレンジの方が柔らかさ・やさしさをもっていること、と言えます。野球はスポーツで、その点、オレンジの非攻撃性が自然と避けられているのかもしれません。 ちなみに、大人のチームよりも、ジュニアのチームの方が、オレンジを採用する割合がいくぶん高いです。子供には、レッドの攻撃性よりもオレンジの明るさの方がふさわしいと考える割合が高いようです。 2012年12月27日(木曜日) 「3色目はイエロー系」 チームカラーを考える時に、2色パターンというのは簡単に思いつきます。たとえば、ブラック*イエローとか、ネイビー*レッドとかです。 ところが3色パターンとなると難しい。3色目に(あるいは2色目に)ホワイトやグレー、ブラックを入れて3色とするのは簡単ですが、それをのぞくと難しい。国旗は3色を使用していることがありますが、それらもブラック、ホワイトがまじっていることが多いです。純粋に有色で3色となると難しい。なんでもありの3色ではなく、人が見るデザインとして美しいかどうか、とりわけ野球ユニフォームの配色パターンとして使えるかどうかの3色パターンとなると、難しい。 ネイビー*レッド*イエロー。ブラック*レッド*イエロー。これが比較的ありうるパターンです。すこし変えても、ネイビー*レッド*ゴールド。他には、と聞かれると、すぐには思いつかない人が多いのではないでしょうか。 限りない色の組み合わせがあるので予測ですが、3色目になれるのは(あるいは2色目として必須なのは)イエロー系だけです。このイエロー系には広く言えば、黄土色からライムグリーンまで含めてもよいでしょう。 赤黄青緑と大きく4つの色に分けたときに、このうち3つを選ぶパターンには黄が入ってこないといけません。 赤青緑の組み合わせもありといえばありですが、青と緑のコントラストが低い(区別がはきりしづらい)です。あるいは、赤が緑とぶつかりすぎます。青もその間に立つことなく、赤と相反するところがあります。青か緑の代わりにイエローが入ると、赤との中和に役立ってくれ、青と緑との相性がよくかつコントラストがあります。 青系2つ+緑系1つといった組み合わせもありと言えばありですが、どうもわざわざ3色にする意味合いが乏しく、見方によっては単に青+緑の2色パターンとも言えます。ここに白・黒・グレー以外の3色を付け足すとなると、イエロー系しかありません。 2011年10月31日(月曜日) 「勝つ色」 色には、比べられた時に、目をひく色とそうでない色、勝つ色と負ける色があります。 たとえば金と銀を比べてみた場合には、金の方が目をひきます。胸マークに金色を使い、胸番号に銀色を使うと、胸マークの方が目立ちます。胸マークと胸番号の重要性を比べると、胸マークの方が大きいので、胸マークが金色、胸番号は銀色というのは妥当な配色です。けれど、胸マークが銀色、胸番号が金色と逆の配色になると、今度は胸番号の方に目がゆきがちです。パーツとしての重要性と、視覚効果としての力が逆転してしまうわけです。 色の視覚的な優劣というのは、たしかに色の締める面積・形・位置の影響も大きいのですが、マークのフチ部分のように小さくても十分な影響をもたらします。胸マークが白*黒フチで、胸番号が白*金フチだった場合、胸番号の方に注意が行ってしまいがちです。 2011年5月25日(水曜日) 「白黄赤緑青黒」 よく赤黄青という順番で色を呼びますが、色の組み合わせを考える時には黄赤青の方がよいです。黄*青、黄*赤のどちらが判別がつきがたいか(逆に言えば近いか)というと、黄*赤です。ですので、黄赤青の順番となります。 黄と青の中間が緑色です。緑*青、緑*赤のどちらが判別がつきがたいかというと、緑*青です。しかし、緑*黄、緑*赤では、緑*黄の方が判別しがたいようにも見えます。さしあたっては、黄赤緑青の順番とします。 黄赤緑青の中で、もっとも白との判別がつきがたいのが黄、そして黒との判別がつきがたいのが青です。したがって、白黄赤緑青黒の順番とします。より詳細に言うと、黄色の上に白があり、青の下に黒があるというイメージの方が精確です。 野球ユニフォームの配色を考える際に、白黄赤緑青黒の隣り合う色同士の組み合わせは、判別がつきがたいです。もし隣合う色同士を組み合わせる場合には、どちらかの色を明るく或いは暗くすると、コントラストがはっきりしてきます。たとえば、白*黄は区別がつきがたいので、白*黄土(黄の暗い版)とするといくらか判別がよくなりますが、グレー*黄としても、白が黒寄りになった或いは白に色が付いてしまうので判別のよさはそれほど変わりません。たとえば、青*黒は区別がつきがたいので、水(青の明るい版)*黒とするとはっきりしてきますが、逆に紺(青の暗い版)*黒とすると読みづらくなります。 しかし、赤*緑、緑*青は、隣合う色同士のわりに区別がつく方です。とすると、大きな断絶があるのが、白黄/赤/緑/青黒という気もしてきます。色の区分としては黄赤青がよく挙げられますが、古来より白赤緑黒という区分も意外と使われています。 2011年5月11日(水曜日) 「2色の主・準・少」 2色のパターン、とりわけウェアの配色について考えてみる。ただし、ホワイトとグレーとの組み合わせはのぞく。 需要もしっかりあるしデザインとしても多くの人がカッコイイと思う主流のパターンは、ブラック*レッド、ネイビー*レッド、レッド*ブラック、レッド*ネイビー。この4つだけだろう。 そこそこの需要が期待できる準主役級となると、ブラック*ブルー、ブラック*イエロー、ブルー*オレンジ、グリーン*イエローだろう。 意外と映える組み合わせだけれど実際の需要はあまりないのは、ブラック*エメラルドグリーン、ブラック*ピンク、ブルー*ブラック、ブルー*レッドにとどまらず、数限りなく出てくる。 もし、あまり見られないという意味でユニークなチームカラーを採用したいのならば、ブラック・ネイビー・レッドの3色を外す。これが基本となるだろう。しかし、この3色なくして、野球ユニフォームらしいデザインを作ろうとなると、なかなか険しい道。 2011年4月28日(木曜日) 「グレーとシルバー、オーカとゴールド」 グレーとシルバー(銀)はちがいます。ホワイトを暗くするとグレーになります。しかし、シルバーは、薄いグレーとして表現される場合もありますが、原理的には暗くなるのではなく、逆に白よりももっと明るくなって照り返し・輝きが出るようにしたものです。強い明るさを出すので、自分自身の弱い明るさのところが暗く見える・グレーに見える、と言えます。太陽の中で、周りと比較して温度が低いところは暗い黒点として見えますが、その黒点でさえ明るさ・温度としては相当なものなのです。 オーカとゴールドも同じです。イエローを暗くするとオーカ(黄土)、明るくするとゴールド。ときにゴールドは、オーカとして表現されることがありますが、それは素材等の都合によって輝きを表せず、色合いとして近いカーキが代用されているだけです。イエローを色合いとして明るくするだけでは、レモンイエローやアイボリィになるだけで、かえってゴールドに見えなくなります。 野球ユニフォームの生地・素材で、そもそも本来のシルバーやゴールドを素材の特性上表現できない(光の反射性が低い)ものは、一番明るいと言われるホワイトでシルバーやゴールドに匹敵しない以上、どう色合いを調整してもできません。グレーかオーカで代用するだけです。 2011年3月30日(水曜日) 「黒は青に近い」 黒は、赤や黄よりも、青に近いです。黒と赤は隣り合ってもちがいがはっきり分かります。黒と黄も同様です。ですが黒と青が隣り合うと、境目が分かりにくくなります。マークの配色を考えるときに、たとえば黒文字*赤フチは判読しやすい組み合わせですが、青文字*黒フチとなると青を明るめにしないとちがいが出ません。 逆に言うと、黒と青は、相性が良いとも言えます。同じ系統に属するカラーと見えるからです。たとえば黒*白*青とすれば、黒と青のそれぞれが目立ち、全体の色合いも統一されているように見えるのです。 黒青系と赤系、黒青系と黄系は、基本的には反発しあう色の組み合わせとも言えます。系統のちがう色がとなり合うと(ぶつかり合うと)、強烈さの印象となります。赤がオレンジやピンク、黄がアイボリィやブラウンになっても、程度が和らぐだけで方向性はいっしょです。 2011年2月16日(水曜日) 「中和させるホワイトの功罪」 マーク配色にホワイトを加えると、他のカラーのもつ強さをやわらげてくれます。しかもホワイト自体はあまり主張しません。とりわけレッドやブラックなどの強烈さが目立つカラーとは相性がよく、マーク配色で困った時にはホワイト色を入れることも少なくありません。 けれどやはり、そのホワイトのやわらげる力・方向性というのが発揮されては困る場合もあるわけです。たとえば、ネイビー色シャツに、オレンジ色のマーク。ホワイト色のふちを付けたり、ライン加工を付けたりしても、それはそれで魅力的ですが、ネイビーとオレンジだけで構成された時のある種の大胆さや鮮烈さは失われてしまいます。 2010年4月26日(月曜日) 「比較してはいけない赤」 チームカラーが決まっていない時、いろいろな配色パターンを考えますが、サブカラーの候補として赤を入れると、その赤がサブカラーに決まってしまう可能性がとても高くなります。たとえば、メインカラーがブラックで、サブカラーの組み合わせとしてブラック*レッド、ブラック*イエロー、ブラック*ホワイト、ブラック*グレー、ブラック*ブルーと置くと、強烈に目を引く・印象に残るのはやはりブラック*レッドなのです。単なる配色の強さで決めてしまうと、他の色では赤に勝てません。たとえばチームコンセプトがサンダー・雷だというならば、ここはやはりブラック*イエローでまとめたいところですが、軽い気持ちで「ちょっとブラック*イエロー*レッドも試してみるか」と見比べてしまうと、赤が割り込んで住み着いてしまう可能性は高いです。 2010年4月21日(水曜日) 「赤は本当に強い」 赤色というのは本当に人の目を引く色です。ほんのちょっとだけでも、「いや、ほんのちょっとだからこそ」という働きをしてしまうのが、赤です。野球ユニフォームにおいても、チームカラーの中に赤が入っていない場合、ほんの1箇所でも赤を使うべきではありません。たとえベルトだけでも、あるいはマークの影部分だけでも、帽子のツバ先の縁部分だけでも、赤が使われてしまうと、そのユニフォームにとって、チームにとって重要な意味を持つものと受け取られます。 2010年3月31日(水曜日) 「野球ユニフォームとしてのカラーリング」 色にはそれ自体、組み合わせの良い悪いがあります。さらに野球ユニフォームとしての良し悪し、あるいは人気・不人気もあります。 たとえば、レッドとグリーン。いわゆるクリスマスカラーとして馴染みはありますが、色の組み合わせ自体としてはかなり極端な組み合わせです(合わなくはないが)。このレッド*グリーンという組み合わせを野球ユニフォームのデザインで見かけることはほとんどありません。そこまで極端でなくても、レッド*ブルー。色の組み合わせとしてはパワフルで、いろいろな所で見かけはしますが、野球ユニフォームでは人気がある方ではありません。レッド*ブラック、レッド*ネイビーという組み合わせの方が俄然需要があります。 2010年3月5日(金曜日) 「レッド*ブラック、レッド*ネイビー」 チームのメインカラーがレッド色の場合、そのサブカラーとして最もふさわしいのはブラックとネイビーと言えます。レッド*ブラックの印象は、わりと堅い感じ。シャープ感も出せませすが、明るくはなく、グレー色を合わせることもできます。対してレッド*ネイビーの場合、グレー色を合わせるのは難しいです。どこか沈んだ感じになってしまうからです。ネイビーのさわやかさを活かすようなホワイトを加えた方が、レッドの良さである情熱さがより出てきます。ネイビーとグレーの相性は悪くはなくむしろ良いのですが、そこにレッドが(少なくとも主役として)入ると、上手くゆきません。 2010年1月15日(金曜日) 「豪華と気品のカラー」 豪華と気品は似ているようでちがいます。カラーで言うと、豪華は金色や暖色で、気品は銀色や暗色によって、構成されることが多いです。たとえばマーク配色で、レッド*金フチは豪華、ネイビー*銀フチは気品だという印象を一般には受けます。レッド*銀フチ、あるいはネイビー*金フチとなると両者の中間といったところです。 2009年11月26日(木曜日) 「威厳のブラック」 威厳をたいせつにしたいならブラック色ベースのユニフォームを作るべきです。黒にまさる威厳はありません。礼服や喪服が、ほどんどの国・文化で黒色であることにも見てとれます。しかし真っ黒というのもまただめで、適度なホワイト色も絶対に必要としています。 2009年8月5日(水曜日) 「素材によって色合いはちがう」 素材によって同じ名前で呼ばれる色であっても、色合いはちがっています。素材には色のりの良いもの・発色のよいものとそうでないものがあり、また表面の凹凸や光沢感等によっても色の見え方は変わってくるものです。同じ色合いにそろえようとしても、異なる素材同士ではどうしてもそろえられないことが出てくるのです。たとえば、帽子のナイロンメッシュ素材は、一般的に発色がよくありません。どのカラーでもおおむねくすんだように見える傾向がありますので、たとえばレッドは明るいレッドではなくやや茶色寄りに見えます。同じブラックでも、サテン素材とニット素材ではまったく別の雰囲気になってきます。 素材による色のちがいを逆手にとることもできます。一般にウェアとマークでは素材がちがいますから、ウェアがホワイト色で、かつマークがホワイト色でもあったとしても、文字を判読できなくはないのです(これは極端な例ですが)。ウェア=ホワイト色、マーク=ブラック文字*ホワイト縁という組み合わせでは、マークのホワイト縁は意味がないわけではなく、それなりに視覚的な効果が出てきます。 2009年7月29日(水曜日) 「やや青寄りでシャープ感が増す」 ウェアやマークのホワイト色やグレー色は、実は、やや青寄りになっていることが多いです。グリーンも意外と青寄りになっています。青寄りといってもほんの数%だけですので、気付かない人も多いと思います。本当に純白だったり、くせのないグレー、真緑ですと、色合いにすこし温かみがあるように感じられるものです。これは良い意味でやさしさ・あかるさ等につながりますが、反面シャープさに欠けるのです。野球ユニフォームとしてはやや青寄りの方が似合うことが多いようです。 2009年7月10日(金曜日) 「強烈さをくわえる色」 ウェアやマークに、ほんのわずかに入っているだけでも強烈さを付け加えられるのは、黄色・黄緑色・水色・桃色の4色が代表的です。いわゆる蛍光色になれるカラーというのが強烈さの方向性をもっています。レッドはたしかに力強いカラーですが、蛍光色にはなりにくく、ある種の鋭さには欠けています。 2009年7月3日(金曜日) 「暗く、鮮やかでない」 野球ユニフォームに使われるカラーは、明るく鮮やかな色合いがほとんどです。いわゆる原色が主役です。その方が、ある種の強さを求めるスポーツには似合うのかもしれません。しかし、原色とはちがった色合いでしか表現できないものもあり、とりわけ暗い色合いや鮮やかでない色合いというのは、力強さや渋みともつながって、需要があるように思えます。明るいパステルカラーですと、色としての華やかさはありますが、なかなか野球ユニフォームには難しいかもしれません。たとえば、赤色というのは、激しさがありますが、それが明るすぎると好まれない場合があります。けれど、ほんの少し色合いを落としてもらえれば、チーム・コンセプトにぴったりくるという場合があります。 2009年3月26日(木曜日) 「色の太さを考える」 色には太さがあります。よく知られているように、相対的に白は太く見え、黒は細く見えるといったことです。野球ユニフォームでは、マークについてはこの色の太さが多少かかわってきます。マークでは1mm、2mmの差がものを言うからです。たとえば、もし文字がブラックならば、気持ち太めに作るぐらいでちょうどよくなります。フチについても同様です。等間隔の2つのフチがあると、細く見える色の方がやけに細く見えてしまいます。 2009年2月24日(火曜日) 「あせた色」 たとえばイエローが色あせると、黄土色になります。色があせるということは、古くなる、衰えるという印象があるのも事実です。しかし同時に、深みや威厳、渋さが増すといったプラスの方向にもふれてきます。 野球ユニフォーム作りでは近年、いわゆる定番カラーの他にも、さまざまなカラーが極普通に使われるようになりました(全体の割合で見てしまうと少ないですが)。それらを見てみると、意外にもこの褪せた色が多いのです。対して、パステルカラーやヴィヴィッドなカラーは少ないと観察されます。 2009年2月10日(火曜日) 「意外性のトリコロール」 野球ユニフォームでは、3つの色を使ってデザインを組み立てる場合が多いです。たとえばブラック*ホワイト*レッドという具合です。しかし、各カラーがよく使われる定番カラーですと(黒紺白赤黄など)、せっかく3つのカラーを組み合わせても、悪く言えばよくある配色に落ち着きがちです(良く言えば、メインカラーが映える組み合わせであり、野球ユニフォームの王道です)。 トリコロールにはもうひとつの顔、つまり意外性のある組み合わせもあると思います。それにはまず、意外性のあるカラーを1つひょいと入れてします。最初に入れてしまうのがポイントです。最初に定番カラーを使ってしまうと、あとにどんな奇抜な色でもそれなりの配色にまとまってしまいます。そこで、たとえばケリーグリーン色。しばしば採用されるグリーンやダークグリーンではなく、明るいグリーン・黄緑色です。これに似合うカラーは何かなと探すと、これまた落ち着きのある配色になってしまいますので、さらに意外性のある紫色を組み合わせてみます。黄緑と紫。ここままでかなり奇抜かもしれません。最後にもう1つ加えるとすると、こまで来たので締まりのある黒色も似合ってくるかもしれませんが、茶色や黄土色なんかも魅力的かもしれません。黄緑*紫*茶。こうした組み合わせは、意外性のあるコンビですが、3色カラーの醍醐味とも言えます。 2009年2月9日(月曜日) 「明暗、濃淡、赤青」 野球ユニフォームに採用されているカラーには色々あります。ある特定のカラーでも色の幅があるものです。たとえば赤でも、普通の赤、濃い赤、明るい赤と大まかに区分しても3種類あります。このように、色を区分・把握する方法としては、まず「明暗」で分けると明確です。そのカラーを暗くするとどうなるか、明るくできなかは常に考えられることです。 それから次に「濃淡」。鮮やかさ・彩度の軸でもあります。たとえば赤を薄くしてゆくと、ピンクになり、やがては白になってゆきます。同じ系統のカラーと言えますが、変化が大きくなるにつれ別の色とも言えます。 そして「赤青」の寄り具合もあります。たとえばエンジには赤よりのエンジと、青よりのエンジがあります。黄色を赤寄りにするとオレンジに近づき、青寄りにしてゆくと黄緑色に入ってゆきます。 こうしたカラーの見方は、本当に微妙な色合いにこだわる場合には有効です。それから、ウェアとマークでの色あわせ、ことなるメーカ間での色あわせの時にも役立ちます。 2009年1月27日(火曜日) 「原色、パステルカラー、渋い色」 ウェアやマークで使えるカラーというのは、原色に属するものがほとんどです。赤や青、黒、白、紺、緑や黄や橙など、基本中の基本の色になっています。 対して、パステルカラーや濃い色・渋い色というのはあまり充実していません。濃い赤やパステルネイビーといった中間的なカラーになると、ラインナップされていないことがほとんどです。 ただしマークに関しては最近、昇華マーク(自由にマーク生地を染色できる)が導入されたり、刺繍糸のラインナップを増やしているメーカ・お店が出てきているので、かなり自由な色使いができるようになってきました。 2008年11月20日(木曜日) 「濃さと暗さと深み」 色を濃くするということと、色を暗くするということは、似ているようでちがいます。たとえば白い物に赤を加えてゆくと、薄いピンク、ピンク、赤と変わってゆき濃くはなりますが、黒になったり、つまり暗くなったりはしません。 ウェアやマークに色の深みを持たせたい場合は、色の濃さではなく、色の暗さ(の対照性)が必要です。たとえばブルーとイエローで配色すると、色の濃いもの同士の対比にはなりますが、明るいものと暗いものとの対比にはなっていません。ディープブルーとイエローですと、暗いものと明るいものとの対比が含まれて深みが増します。 2008年10月9日(木曜日) 「闘争力を駆り立てるレッド」 レッドという色は、人を興奮させる、闘争力を駆り立てる作用があると言います。レッド色のシャツやアンダーシャツを身に着けると、チームの士気が向上するようになるかもしれません。 けれど、そのレッドを見ているのは、自分たちのチームだけではないのです。相手チームも見ているわけですから、もしかすると、そちら側もなんだか俄然やる気がわいてきているかもしれません(笑)。闘牛につかわれる赤いマントの道理です。 2008年9月4日(木曜日) 「3色マークは豊かさ」 3色マークにあって、2色マークや1色マークに無いもの・少ないものというのは「豊かさ」だと思います。3色マークというと豪華さやきれいさが特徴とされますが、それとはやや異なる繊細さや鋭さを体現する場合もあります。世の中にはたくさんの色が存在し、その組み合わせによって様々な表情を見せます。3色マークはその方向により近づくのです。 2008年7月24日(木曜日) 「A色、A色+ホワイト、ホワイト」 マーク配色やシャツ配色で、3色の場合。高い確率で上手くゆくのは、(1)ある色、(2)その色にホワイトを加えた色、(3)ホワイトです。 たとえば「ブラック*グレー*ホワイト」「レッド*ピンク*ホワイト」「ブルー*水*ホワイト」「グリーン*ケリー*ホワイト」となります。 同じ系統のカラーの集まりですから、華やかさには欠けるかもしれませんが、統一感とさわやかさが出せます。 2008年7月4日(金曜日) 「負けるブルー」 ブルー色をメインのチームカラーとするチーム数は5%前後です。ネイビーやブラックと比べると5分の1以下ですので、意外に少ないんだなと思われるかもしれません。 ブルー色には重さがあまりありません。重さは暗さや強さと結びつきますが、それに欠けているのです。ブルーの方が面積が多くても、ちょっとした面積のブラックやネイビー、レッドの方が目立ってしまいます。それが、ブルーがメインのチームカラーになりにくい理由かなと思います。 ブルーを立ててくれたままで、相性がいいのはまずホワイト。次にイエローとオレンジです。 2008年5月19日(月曜日) 「アイボリィ色」 アイボリィ色は需要がほとんどありません。学生野球や少年野球でも年々減っているように観察されます。定番品にラインナップされていることも少ないです。 単なるイエロー色とはちがって、アイボリィ色には鮮烈さがなく、むしろくすんだ印象の方が強いかもしれません。白いものは陽にあたるとやがて薄い黄色、すなわちアイボリィっぽくなります。こうした印象が人々の意識にあると思います。 逆に言うと、古めかしさを演出したいときにはアイボリィ色を使うのが効果的だと言えます。 さらに、古さというのは伝統、ブランドにもつながります。アイボリィ色と茶色やオレンジ色を組み合わせると高級感を出せます。 2008年5月14日(水曜日) 「カラーの軸移動」 野球ユニフォームにおいてカラーの微妙なちがいにこだわりたい場合があります。そういう時には、カラーに対する見方をどれだけ持っているかが問われるときがあります。訓練法のひとつは、ある色をどんどん変えていったらどうなるか想像してみる・実験してみることです。 たとえばブルー。これに赤の方向性を加えると、ロイヤルブルーになります。ロイヤルブルーを暗くしてゆくとネイビーになります。 たとえばエンジ。赤寄り=茜や茶に近いエンジもあれば、青寄り=紫に近いエンジもあります。 たとえばグリーン。青を加えてゆくと、エメラルドからターコイズブルーになり、やがては水色になります。 たとえばイエロー。赤を加えてゆくとオレンジになってゆき、色を抜いて暗くすると黄土や茶になってゆきます。 2008年5月2日(金曜日) 「ピンク色」 最近の野球ユニフォームで、人気がないけど取り入れたいカラーNo.1(矛盾・笑)は、ピンク色かもしれないと思います。プロ球団の影響もあって、エンジ色やマゼンタ色の人気はぐんぐん伸びていますが、同じ方向性にあるピンク色を採用するチームをちらほらと見かけるようになりました。女性に似合うのは当然ですが、男性でもなかなかのもの。カジュアルやビジネスのウェアで、ピンク色のシャツを着る方も少なくないと思います。 ピンク色は、強さはないけれど、明るくて活力あるカラーです。とんがっていないところがレッド色と異なり、くすみの無さがオレンジ色やエンジ色とはちがいます。 マーク生地や刺繍糸にはピンク色がありますので、簡単に採用可能。ウェア生地にはピンク色がほとんどラインナップされておらず残念です。 2008年4月4日(金曜日) 「エンジ、グリーン、パープル」 エンジ、グリーン、パープルをチームカラーとするチームは、およそ10%程です。3色集まれば意外と少なくないなという印象です。とくにエンジ、グリーンはここ数年で採用するチームが増えています。メーカもそれに対応するようアンダーシャツやベルト、ストッキング等で対応カラーを備えるようになりました。 この3色に共通して言えることは、主役にはなれても脇役にはなりにくいという点です。案外と個性が強いとも言えますし、副え色としての華やかさに欠けるとも言えます。 もうひとつ共通して言えることは、イエロー色との相性がよいということです。この3色のもつ渋みの方向性が、高貴な印象に生まれ変わります。 2008年3月12日(水曜日) 「レッドvsイエロー」 シャツのメイン色に、レッドを採用するチームは、イエローを採用するチームの4〜5倍います。ただ、レッドとイエローをあわせても全体の5%前後ですので、対比する意味はあまり無いかもしれません。 ところが、胸マーク文字色にレッドを採用するチームとなると、全体の15%前後に高まります。文字色にイエローを採用するチームが1%前後であるのとは大きな差です。 この差が生まれる理由のひとつは、判読のしやすさです。イエロー色の文字というのは、たとえ周りに暗いフチを付けても、読みづらいのです。イエロー色の特徴のひとつは明るさですが、どうもそれがかえって文字には不似合いなようです。 他方、レッド色の文字は、読み取りやすいだけでなく、他のどんな色よりも人の目をひく強さを持ちます。よく言われる説は、レッド=血の色であり、生物的に・自然に注意がいってしまうのだそうです。 イエロー色をもう少し広い意味にとって、金色やカーキ色(黄土色)も含めると、名脇役になります。マークのフチ色として採用される割合が20%近くまで高まるほどです。最近ではシャツのパイピング色、帽子のツバ色・天ボタン色としても欠かせません。主役にはなりづらいが、アクセントとしてぴったりなのがイエロー色です。 2008年3月5日(水曜日) 「ブラックvsネイビー」 ブラックとネイビーは、野球ユニフォームのチームカラーで最も人気がある色です。この2つで60〜70%の割合を占めています。 どちらの方が人気かと言うと、ブラックの方がネイビーの1.5〜2.0倍の支持を集めます。意外と差がある数字ですが、これは野球ユニフォームに限った話ではなく、衣服全般に見られる傾向です。実際によく売れるのはブラック色で、その対比としてネイビー色がラインナップされるという商品戦略はよく見られます。 ブラックとネイビーは、圧倒感・力強さ・シャープ感など、カラーの方向性・印象として多くの要素を共通して持っています。反対に、その違いを際立たせると、ブラックが「堅さ」で、ネイビーが「さわやかさ」であると言えます。 ブラックは、色味や華やかさがないのが特質です。他のカラーを寄せ付けない強さがあり、サブカラーとしてはホワイトやグレーが多く選ばれます。レッドやイエロー、オレンジ等もよく似合うのですが、実際に組み合わせる野球チームはあまり多くはありません。 ネイビーは、ブルーの持つさわやかさに通じるものがあります。和らぎの要素も持つので、他のカラーと組み合わせてもぶつからず、お互いにその魅力をさらに高める傾向があります。 2008年1月11日(金曜日) 「ホワイト色のちから」 マークでもウェアでも、ホワイト色を上手く使うと、コーディネイトがまとまることがあります。白は色が無いのではなく、白という色があるからです。 その効果は一概には言えません。ユニフォームの印象をシャープにする時もあれば和らげる時もあり、力強さを生み出す時もあればスピード感を出す時もあります。 また、ホワイト色はチームカラーになりにくいのもポイント。たとえば、パンツがホワイト色だからと言って、ホワイト色はチームカラーになりません。マークをグリーン*イエローふちにした場合、グリーンもイエローもチームカラーに数えられます。ですが、グリーン*ホワイトふちにした場合、ホワイトは必ずしもチームカラーとは言えません。 2007年12月20日(木曜日) 「カラーの呼び方」 野球ユニフォームの世界で、カラーの呼び方が問題になる場合があります。トラブルをふせぐために、制作の際には必ずユーザ様とスタッフで意味合いを確認する必要があります。 とくに気をつけたいのは「シルバー」「ゴールド」です。 「シルバー」は、「きらきらした銀」「うすいグレー」、まれに「単なるグレー」の3種類をさす場合があります。 「ゴールド」は、「きらきらした金」「濃いイエロー」「黄土色」の3種類をさす場合があります。 たとえば、お客様から「胸マークはシルバーで縁取って」とお伝えいただいた場合、「そのシルバーというのは、銀糸なのか薄いグレー糸なのか?」を確認する必要があるわけです。 2007年12月17日(月曜日) 「渋いカラー」 色の3大要素は、レッド・イエロー・ブルーです。この3つから外れた色合いは一般に、渋い印象を与えます。さらに暗く色づけすると渋みを増します。 こうした渋いカラーには、たとえばエンジ、パープル、ブラウンがあります。このルールからすると、意外に思われるかもしれませんが、オレンジ、ピンク、グリーンなども渋さの方向性を持ちます。「渋い」という表現でしっくりこないかもしれませんが、オレンジはレッドに比べて「強烈ではない」という表現なら納得できると思います。 |