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はじめての野球ユニフォーム作り
〜スピリットをかたちにする〜

2010年3月



2010年3月31日(水曜日)
「野球ユニフォームとしてのカラーリング」

 
色にはそれ自体、組み合わせの良い悪いがあります。さらに野球ユニフォームとしての良し悪し、あるいは人気・不人気もあります。
たとえば、レッドとグリーン。いわゆるクリスマスカラーとして馴染みはありますが、色の組み合わせ自体としてはかなり極端な組み合わせです(合わなくはないが)。このレッド*グリーンという組み合わせを野球ユニフォームのデザインで見かけることはほとんどありません。そこまで極端でなくても、レッド*ブルー。色の組み合わせとしてはパワフルで、いろいろな所で見かけはしますが、野球ユニフォームでは人気がある方ではありません。レッド*ブラック、レッド*ネイビーという組み合わせの方が俄然需要があります。
 
 

2010年3月30日(火曜日)
「盛り上がる前に」

 
たいていユーザの考えている・求める商品価格というのは、実際の商品価格よりも安いです。そして人は、安い価格を想定していたところに、高い価格を提示されると、購入にはなかなか踏み切れません。
野球ユニフォーム作りでも然り。メンバーとの軽い話し合いの段階であれもこれもと盛り込んでしまうと、予算10,000円オーヴァなんてことも結構あります。予算アップはできないから、じゃあ、どこを削ろうか・止めようかとなると一苦労です。一度盛り上がってしまったテンションを下げるわけですから、おもしろくはありません。
むしろ徹底して必要最小限の購入構成を考える。その上で余裕があれば、いろいろと盛り込んでゆく。そうした方がすんなり行くかもしれません。
 
 

2010年3月29日(月曜日)
「自由でなくても、豊富でなくても」

 
野球ユニフォームは、チーム毎の受注生産ですので、自由にデザインを決めてもらって基本的にはかまいません。しかし、なんでもかんでも自由ですよとなると、人はかえって迷ってしまうものです。メーカや販売店である程度デザインをしぼって、ユーザに提示する。それも必要なことなのかもしれません。
しかしその絞るという過程が、単なる制限となってしまうと、野球ユニフォーム作りの醍醐味の多くが失われてしまうのも事実です。これは豊富な選択肢があればよいといった問題ではありません。
自由さも豊富さも、共に手段・過程に過ぎません。ユーザが満足できるユニフォームを作ることができるかどうか、ユーザが納得してユニフォーム作りにかかわれるかどうか、それを実現するためならば、たとえ自由でなくても、豊富でなくてもよいのです。
 
 

2010年3月26日(金曜日)
「候補15スタイル以下」

 
野球ユニフォーム作りは、デザインでいろいろと考えることが楽しみのひとつですが、やはりあまりにも候補が多すぎてもいけません。候補ができれば10スタイル以上は欲しいところですが、15スタイル以下でもあって欲しいものです。16スタイル以上になると、その中からずばり1点を採用デザインとして挙げることはできず、まず3〜7スタイルぐらいに絞ってから、もう一度決戦投票といった流れになります。15スタイルぐらいまででしたら、ずばっと1スタイルに決めることがぎりぎりできる上限かなと思います。
 
 

2010年3月25日(木曜日)
「価格と品質は連動するか」

 
高い価格だからといって、必ずしも品質が優れるわけではありません。同じ価格でも品質の優劣はあります。しかし一般に、価格と品質は連動します。高いものほど優れ、安いものほど劣る。これは野球ユニフォームについても言えます。
異なるメーカ間で、同じ価格の似たような商品があった場合、その優劣を比べるのは難しいですが、優劣がある可能性はあります。この場合、高い方が総じて優れているとは限りません。
同じメーカ内で、同じ分類に属する商品で価格の高いものと低いものがあった場合、まずまちがいなく高価格の方が品質として優れています。たとえば帽子で、高いものと低いものがあった場合、高いものの方が試合用、安いものの方が練習用といった具合に、品質に大きな差があります。
 
 

2010年3月24日(水曜日)
「品質は客観的ではない」

 
品質は客観的であるように見えますが、思いこみ・主観の面も実は大きいです。より正確に言えば、品質自体は客観的な事柄ですが、品質について語ることは主観です。
たとえば野球ユニフォームでも、よく話題になる素材の吸汗速乾性や伸縮性。素材そのものの客観的なデータとして、乾きが早い、伸びが良い等は数値化でき、その優劣を比べることができます。しかし実際に使用してみて、それをどう感じるかは、意外と差がなかったり、あるいは客観的なデータとは逆の評価が出てくる場合もあります。いわゆるブランド力といったものが主観に入ってしまい、「このメーカなら良い物のはずだ」「このメーカはそこまで良いとは思えない」といった評価になることがあります。
 
 

2010年3月23日(火曜日)
「メーカ間の役割分担」

 
ひとつのメーカの中でもいろいろなラインナップがあります。同じシャツでも試合用と練習用、定番カラーと別注カラーなど、仕様・品質・価格等によって商品ラインナップがいろいろと展開されています。
しかし、ひとつのメーカの中でありとあらゆるラインナップを展開することはありませんし、おそらく事実上、不可能でしょう。あるメーカは高品質だけど高価なアイテムを得意とし、またあるメーカはたくさんのカラー・ラインナップを持っていることを得意とする等、それぞれのメーカ・ブランドに特色があるものです。
そして、このメーカ毎の特色(ブランディング、セグメント、ポジショニング等も呼ぶ)は、近年よりはっきりと出てくるようになっています。背景はいろいろとあるでしょうが、おそらくは、この豊かで多様な時代においては、メーカは自らの特色をはっきりさせないと、きちんとユーザに選んでもらえないという要因があると思います。
 
 

2010年3月18日(木曜日)
「どんなにお金をつまれても」

 
野球ユニフォームは、基本的に受注生産品ですので、ありとあらゆるものに対応する力を潜在的には持っています。しかし、お金さえ積めば、どんな要望(デザインにしろ機能にしろ納期にしろ)も通るかというと、そうではありません。たとえ2倍3倍あるいは10倍の金額を払ってもらっても、メーカ・販売店側には意志的にやらないことがあります。ちょっとルールさえ変えればわりと簡単にできることでも、決してやならいことがあります。そのユーザにとってどんなに大切なことでも、あるメーカ・販売店にとっては受け入れがたいものもあるのです。
すべてのお客様に完璧な満足は与えられない。その現実を、無力感・諦念として受け入れるのではなく、自分たちが向き合うべきユーザは誰か冷静に見極め、そのユーザの向いている方向に対して全力を尽くし深めてゆく。幅広く対応できる力があるからこそ、向けるべき方向をしぼる必要もあるのです。
 
 

2010年3月17日(水曜日)
「価格、品質、ブランド力、自由度、納期」

 
野球ユニフォームを作るメーカはいろいろありますが、それを分類・分析する軸としては「価格」「品質」「ブランド力」「自由度」「納期」の5つがあると思います。
他メーカ・業界標準と比べて、商品価格が高いか安いか。品質は優れているか劣るか。ブランド力はあるか低いか。デザインの自由度は高いかどうか。納期が早いかあるいは安定しているか。
 
 

2010年3月16日(火曜日)
「ワッペンでもチームカラー厳守」

 
せっかく作るワッペン、エンブレムなのだから豪華にしよう、派手にしようと思うことは少なくないと思います。しかし、いろいろなカラーを使いだすと、そのチームらしいワッペンの雰囲気が出なくなります。ワッペンの中の色づかいにおいてもチームカラーを厳守することが基本です(あくまでも基本です)。
たとえばチームカラーが、ブラック*イエローだとしましょう。ワッペンにおいて金色や黄土色あるいはグレー色を使おうといったところまでは、チームカラーであるイエローやブラックの延長と言えるので問題ありません。しかし、なにかを強調するためにレッドを使い出したり、あるいは球場等のためにグリーンを採用すると、だんだんと焦点の定まっていないデザインになってきます。場合によっては、物の本来のカラーを無視して強引にチームカラーにすることも必要です。たとえばバットは通常、茶色系統ですが、チームカラーがエメラルドグリーンであれば、少々違和感があってもエメラルドグリーン色のバットにしてしまう方が、ワッペン全体としてはしっくりきます。
 
 

2010年3月15日(月曜日)
「ユニフォームを買う」

 
ユーザにとって野球ユニフォームを買うとは、ウェアだけを買うものでも、マーキングだけを頼むだけのものでもありません。自分たちのマークが入ったウェアを買う、それがユニフォームを買うということです。これがユニフォーム事業の基本中の基本です。このことを忘れずに、販売店やメーカは、商品企画・案内・販売法・物流・アフタフォロウ等々を考えなければなりません。
 
 

2010年3月12日(金曜日)
「分かりづらいからこそのパッケージ」

 
野球ユニフォーム作りは、自分たちの好み通りに作れるところが魅力ですが、はたして全ての人にとってそう思えるかどうかは別です。いろいろと考えたり、メンバーで調整したりするのは、楽しいと言えば楽しいものですが、苦労も少なくはありません。だから、デザインも価格も品質も納期も、ありとあらゆることがパッケージ化されていて、ひょいと買い物かごに入れるようにユニフォームを購入できる。そういう買い方もありですし、メーカや販売店のサポート義務とも言えます。
 
 

2010年3月11日(木曜日)
「500円、1000円の差が大きい時」

 
1着あたりのユニフォーム代金が500円上がったからといって、それほど大きな差には感じないかもしれません。1,000円ちがってくると、ちょっと考えようかなとなります。
しかし会社チーム、あるいは部費でユニフォーム代金を管理しているチームにとっては、その500円、1,000円の差も大きいです。チームの人数分を掛け合わせれば、すぐに総額で10,000〜20,000円の差になってくるからです。
 
 

2010年3月10日(水曜日)
「半袖ハイネックの価値」

 
半袖アンダーシャツなのにハイネック。価値があるのでしょうか?冬ならば首まで覆って温かいハイネックにも納得ですが、半袖になるほどなのにハイネックでは暑苦しいそうです。
半袖ハイネックの価値は、後ろ首を直射日光から守ることです。野球・ソフトボールは日中・野外で行うことが多いので、日焼けや熱中症に注意しなければなりません。後ろ首というのは意外と盲点・弱点で、ここが直射日光にさらされると頭がぼおうっとしてきます。
 
 

2010年3月9日(火曜日)
「ホワイトシャツ、グレーシャツ、新しいマークカラー」

 
ウェアの生地色は、基本的に決められた色の中から選びます。種類も多いとは言えません。対してマークに使うカラーは現在、マーク生地でも刺繍糸色でもとてもたくさんの色があります。
たとえば、チームカラーとして濃い赤色を使いたいとして、ウェア生地にその色があるとは限りません。しかし普通の赤では物足りない時、マーク部分にならそのこだわりの色を採用できるでしょう。ウェアには赤をできるだけ使わず、ホワイトやグレーをベースにします。下手にウェアに赤を使ってしまうと、せっかくマーク部分でこだわった濃い赤色が活きてきません。
 
 

2010年3月8日(月曜日)
「どこに絶対的な軸をおくか」

 
野球ユニフォームを作るにあたって、デザイン・金額・納期などのどこに絶対的な軸をおくべきでしょうか。デザインではゆずれないものもあるでしょうし、出せる金額だって限られている。試合にももちろん間に合わせたい。
しかし本当にたいせつなのは、今この期に、ユニフォームを作る(作り替える)のかどうか、です。なにがあろうと作るのか、皆の意見がまとまらなければ作らないのか。
 
 

2010年3月5日(金曜日)
「レッド*ブラック、レッド*ネイビー」

 
チームのメインカラーがレッド色の場合、そのサブカラーとして最もふさわしいのはブラックとネイビーと言えます。レッド*ブラックの印象は、わりと堅い感じ。シャープ感も出せませすが、明るくはなく、グレー色を合わせることもできます。対してレッド*ネイビーの場合、グレー色を合わせるのは難しいです。どこか沈んだ感じになってしまうからです。ネイビーのさわやかさを活かすようなホワイトを加えた方が、レッドの良さである情熱さがより出てきます。ネイビーとグレーの相性は悪くはなくむしろ良いのですが、そこにレッドが(少なくとも主役として)入ると、上手くゆきません。
 
 

2010年3月4日(木曜日)
「親しみやすいマスコット」

 
ワッペンのマスコット等の絵柄で、輪郭線を太くすると、ポップな感じや親しみやすさがアップします。マンガやアニメの絵には輪郭線が付くことが多いですが、それもやはり太い輪郭線ほど親しみやすさを感じさせます。幼児向けの番組、あるいは童話の絵ではこの太い輪郭線というのが顕著です。また、頭を大きく、目鼻口を大きくすると、幼児・低年齢を想起させて、さらに親しみやすさを感じさせます。
 
 

2010年3月3日(水曜日)
「たとえるなら料理」

 
オリジナル野球ユニフォーム作りというのは、普通のお買い物・商品選びとはちがいます。すでにある選択肢の中から買うのではなく、選択肢を作るという行為そのものです。おそらく一番近いたとえのひとつは、料理です。お店に入ってメニューの中からどの料理を食べようかなと選ぶのではなく、いろいろと材料を持ち寄ってどんな料理を作ろうかと考えることに、野球ユニフォームのオリジナルオーダは近いです。
 
 

2010年3月2日(火曜日)
「マネージャだけ別仕様」

 
チームでご注文・制作する際に、マネージャ用のシャツあるいはキャップを作りたいというご要望が少なからず存在します。基本的には対応可能です。その際に、選手とはちがった仕様にすることもできます。たいていマネージャは女性の方なので、女性らしい色づかいのウェアやマークに変更・アレンジすると、きっとマネージャさんが喜ぶと思います。
 
 

2010年3月1日(月曜日)
「2,000円の差」

 
チームの考える予算と実際の見積価格とでは、差があることが多いものです。差がおおむね1着あたり2,000円を超えてくると、チームが支払える限度を超えてきます。1,000円ぐらいまでの差であれば、なんとか調整できる範囲です。逆に言うと、ユーザが思うよりも2,000円以上安いものを提供できれば、即買いの提案だと言えます。まあ、なかなかそういう提案は存在しないのですが。

 
 
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