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はじめての野球ユニフォーム作り
〜スピリットをかたちにする〜

2009年11月



2009年11月30日(月曜日)
「11%以下」

 
野球ユニフォームは、チームのみんなと共有(デザインや仕様が共通)するものです。自分の思い通りにできない面も多く、いらついてしまうかもしれません。ユニフォーム作りは、要望が100%通らないものと覚悟した方がよいと言えます。新しく生まれてくるユニフォームに自分ができることは11%以下だけ。11%を楽しむか、89%にいらつくかは自分次第です。
 
 

2009年11月27日(金曜日)
「ベーシックであること」

 
奇抜な配色を作ることはできます。あるいは、最新のデザインを求めることもできます。しかし、ベーシックに作ることも十分価値があります。悪く言えば、普通で、メンバーの多くの賛成を得られやすいとなりますが、基本的なデザインであるほど永く愛される要素をふんだんに持っているとも言えます。
 
 

2009年11月26日(木曜日)
「威厳のブラック」

 
威厳をたいせつにしたいならブラック色ベースのユニフォームを作るべきです。黒にまさる威厳はありません。礼服や喪服が、ほどんどの国・文化で黒色であることにも見てとれます。しかし真っ黒というのもまただめで、適度なホワイト色も絶対に必要としています。
 
 

2009年11月25日(水曜日)
「見本品を作りたい」

 
野球ユニフォームは、チーム毎のオーダ品のため、実際にどう仕上がってくるかということに不安があるものです。そこで先に1着だけ見本品を作りたいという要望が出てきます。メーカ・販売店によっては対応可能です。もちろん実費はかかりますし、チーム分を作るよりも割増にはなります(大量生産の原理が働かないため)。
しかし、メーカ・販売店からすると、わざわざそのチームのための見本品を作る必要性が本当にあるのかどうかは疑問です(単に面倒がっているだけかもしれませんが)。品質をたしかめたいのならば、そのチームのロゴが入っていない普通のサンプル品で済むわけです。サイズを合わせるためならサイズサンプル。ロゴの仕上がりを見たいなら画像イメージで十分と言えます。たしかに実際に仕上がったものを着てみて、はじめて分かることもありますが、何を不安に思っているのか、それをひとつずつ明確にすれば、事前にクリアできることも多いです。そうすることが最終的にユーザ自身のメリットになることも多いです。
 
 

2009年11月24日(火曜日)
「まず金額が知りたい」

 
お問い合わせの中で、多くのユーザから出る第一の言葉は「金額が知りたい」というものです。これは確かに分かります。金額は大事ですし、野球ユニフォームの世界自体、金額が分かりづらいからです。しかし、販売店・作り手にとっては、金額だけ知りたいと言われてしまうと「結局安いものが欲しいだけなの?」「具体的な希望もなく金額など出せない」という壁に当たってしまうのも事実です。つまり、お客様は「とにかくおいしい料理が食べたい」と言っており、料理人は客がどんな料理が食べたいのか分からないという状況です。もう少し具体的に要望を出してもらえれば、料理人も腕のふるいがいが出てきます。メニューがあれば良いともいえますが、メニューがない世界を楽しむが野球ユニフォーム作りのひとつの面でもあります。
 
 

2009年11月20日(金曜日)
「オリジナリティ=アイデンティティ+ユニーク」

 
野球ユニフォームにとっての「オリジナリティ」とはなんでしょうか。まず大事なのは、そのユニフォームにとってオリジナリティである点を、メンバーが気に入っている、大切に思っているということです。いわゆる「アイデンティティ」とも表現できるものです。単に他のチームにはない特徴といったものであれば、それは「ユニーク」と呼ばれるものです。オリジナティは、よりユニークであればあるほどベストですが、アイデンティティ無くしては意味がありません。極端に言えば、どんなに平凡なオリジナリティでも、それがチームにとって愛すべきオリジナリティとして存在していれば、十分なのです。
 
 

2009年11月19日(木曜日)
「かっこよさもオリジナリティも安さも」

 
かっこよい野球ユニフォームにしても、オリジナリティのある野球ユニフォームにしても、あるいは手頃な値段の野球ユニフォームにしても、すべてはユニフォームを着るユーザにとっての満足です。かっこよさも、オリジナリティも、安さも、満足させるための媒介にすぎません。かっこよさも、オリジナリティも、安ささえも求めないチームというのが、少ないですが実在するのです。時に、かっこよさ、オリジナリティ、安さをもって勧めることが、かえって邪魔にさえなることがありえます。
 
 

2009年11月18日(水曜日)
「パンツは要らない、の先」

 
ここ2年ほどの不景気・消費冷え込みを反映して、野球ユニフォームでも、使えるアイテムは使う、必要最小限だけ買い替えるという動きが目立ってきています。これまではユニフォームを作り替えるとなると、シャツ・キャップ・パンツの3点をいっしょに変えることが多かったのですが、いまはシャツとキャップだけ、あるいはシャツだけといった傾向が増えてきています。各メーカもそれに合わせて、シャツとキャップの2点セットといった商品ラインナップに力を入れつつあります。
逆に言うと、パンツは要らない/売れない時代が来るということです。客単価で3,000〜5,000円下がるという結果が出てきますので、これがメーカや販売店に今後どのような影響を与えてゆくかはポイントです。作り手の経営が厳しくなると、商品ラインナップが減っていったりするからです。
ユニフォーム全体にとってのデザイン・バランスとしては、継続して使うアイテムとの相性をよく考えさえすれば、シャツだけ変えても、シャツ・キャップを変えても、なにも問題ありません。
 
 

2009年11月17日(火曜日)
「チーム予算、個人予算」

 
会社のチームでは、会社からの補助が出ることがあります。予算10万円とか20万円、30万円といった具合です。しかしチームのメンバー数によって、一人当たりに使える金額は変わってきてしまいます。補助金の額を軸としてしまうと、メンバー数が1〜2人増減しても、数千円ちがってくる場合があります。
補助金は補助金。もし、全く補助金がなく、自分たちで全額払うことになった場合、いくらまで出せるか。それも考えた方がよいです。その方が会社の予算にふりまわされず、しっかりとした軸がひとつできます。
 
 

2009年11月16日(月曜日)
「納得して、満足する」

 
納得しても、満足までゆかない場合があります。しかし満足できるのに、納得できないという場合はまずありません。野球ユニフォーム作りの事前の打ち合わせで目指すのは、まず納得。価格やデザイン、機能等を検討して、「よし、これで作ろう!」となるのが納得です。この納得までいかないのに、できあがってみて満足ゆくということは難しいです。もちろん、予想以上の出来というものはあるものですが、できれば事前に納得のレベルを上げておきたいものです。
 
 

2009年11月13日(金曜日)
「他のアイテムも作りたくなる」

 
ユニフォーム作りが上手くゆくと、他のアイテムもどんどん作りたくなります。セカンドシャツに、コートに、ウィンドブレーカに、ジャージに等々。逆に言うと、関連グッズもどんどん作りたくなるほど、とても満足できる・期待できるユニフォーム・デザインになっているかどうか。そこが、新しいユニフォームを作るとき、見極めどころとも言えそうです。
 
 

2009年11月12日(木曜日)
「元はあるが」

 
どんなデザインを参考にしたのか分からないような独創的なユニフォームがあったりしますが、しかしそれとて何らかの元のデザインはあるものです。無から産まれるデザインはないということです。では、どうやってその独創的なユニフォームはできあがったのか。単なる真似ではないからこそ、きっと数多くのユニフォームを見て、そこから学べるものを吸収したのだと思います。そして、地道に試行錯誤・アレンジしていって、ようやく納得のゆくデザインにまとまったのだと思います。
 
 

2009年11月11日(水曜日)
「ひとつとして同じものがない」

 
統計として、野球ユニフォームに言える傾向というものはあります。たとえばブラックやネイビーのシャツが多いといったことです。しかし、そうしてひとくくりにされたユニフォームの中にも、ひとつとして同じデザインのユニフォームはないと言っても過言ではないかもしれません。出来上がってきた数々のユニフォームを見ると、それほど多様なのです。マーキングの似ている点、同じシャツの型番を使っている点などはあったりしますが、やはり仕上がった全体を比べて見ると、どうしてこんなにちがってくるのだろうと感心してしまいます。もともとのチームの個性が多様、あとはただそれに従ってユニフォームを作ればよいだけ。メーカも販売店もそれを手助けすればよいだけ。
 
 

2009年11月10日(火曜日)
「あと1歩ふみだす」

 
失礼な表現になると思いますが、数多くある草野球チームの中には、とにかくユニフォームを作ればいい・持てればいいというチームがいらっしゃいます。値段と納期と品質とがバランスをとれていれば、デザインにそんなにこだわらないし、オリジナリティなんかなくてもよいといった制作方針です。なんらかの考えや事情があるのでしょうから、それを否定することはできません。それはそれで尊重するべき方針なのだと思います。
しかし、あと1歩だけふみだしてもらえれば、そのチームにとっていっそう喜ばれるユニフォームにできる場合もとても多いのです。そのために必ず数千円かかるとか、数週間の打ち合わせが絶対必要であるとか、そういうことではありません(そういうケースもありますが)。わずかライン加工をひとつ付け加えるだけで、あるいはマーク配色をちょっと変えるだけで、劇的に好ましくなる場合があります。ふと浮かんだアイデアを販売店に一言相談するだけで、すぐに取り組めてしまうこともあるのです。
 
 

2009年11月9日(月曜日)
「もっとマーク書体を増やしましょう!?」

 
メーカカタログに記載されているマーク書体のリストは、ずいぶんと増えています。メジャーリーグの影響、日本プロ球団のたびたびのモデルチェンジが大きいです。各メーカでオリジナル書体も増やすようになってきています。10年ほど前と比べると3〜4倍ぐらいの選択肢です。しかし、実際に注文として人気のあるマーク書体は15種類程度にまとめることができます。その他の書体は年に数えるほどのチームしか選びません。
どこのチームも同じようなマーク書体ではきっとおもしろくないでしょうから、もう少しマーク書体の実際の選択がちらばるとよいかなとも思います。けれど、おそらく、マーク書体の選択肢をいくら増やしても、選択は分散されず、きっと今も人気のある書体に集中したままでしょう。それよりは、各チーム毎にマーク書体をアレンジできるようなオプション・システムを作ってゆく方がよいかもしれません。シャツに自由にライン加工を付けられるように、マーク書体になにかアレンジをするのです。
 
 

2009年11月6日(金曜日)
「クラシック書体が人気」

 
シャツやパンツの種類に流行があるように、マーク書体にも流行があります。ここ1〜2年で見ると、クラシックな書体が人気です。数年前からプロ野球でクラシックスタイル、復刻ユニフォームが取り入れられていますが、その影響がじわりじわりと出てきているようです。もともと野球ユニフォームの世界は、品位のあるデザインが好まれる傾向にあるので、ある意味、きっかけを得て本来の姿があらわれてきたと言えるかもしれません。相撲に江戸文字、野球にクラシック文字といったところでしょうか。
 
 

2009年11月5日(木曜日)
「2大配色」

 
野球ユニフォームでは、ブラックとネイビーを使ったデザインが人気ですが、さらにそれぞれサブカラー・合わせのカラーまで含めると、どんな配色が人気でしょうか。それは「ブラック*グレー」と「ネイビー*レッド*ホワイト」です。この2配色こそ野球ユニフォームを彩る2大配色です。
ブラックは、色がないモノクロ。ですからホワイトとの相性も良いのですが、こちらは対照性が高くなりシャープな仕上がり。対してグレーをパートナとすると、高級感や落ち着きを強調することができます(シルバーでもよいが明るすぎてもいけない)。ブラックはレッドやイエローとも相性がよいのですが、レッドやイエローの鋭さについては好みが分かれるようです。そこで無難だけれど王道でもあるブラック*グレーが人気。
ネイビーには、ブラックにはないシャープ感とさわやかさがありますが、やや力強さに欠ける面もあります。それを補ってくれる最良のパートナがレッドというわけです。しかしネイビー*レッドだけですと、今度はかなり強烈、あるいはくど過ぎるという面も出てきます。そこで多めにホワイトを入れるのがポイント。マイナス面が中和されつつ、ネイビー*レッドの良さを引き立ててくれます。
 
 

2009年11月4日(水曜日)
「1日のちがいが数日の差」

 
実際の野球ユニフォーム作りの納期では、たった1日が重要ということがまれにあります。多くの場合、1〜3日は融通が効かせられるのですが、どうにもできない場合も少なくないのです。あえて厳しく申し上げると、とかくユーザという存在は「どうにかなる」という面に期待・要望がありすぎて、「どうにもできない」という面が存在することに無頓着です。たとえば、金曜日に発注するのと土曜日に発注するのはたった1日のちがいですが、メーカのほとんどが土日は休業であることをふまえると3日の差が出てきます。今日までは商品在庫があったのに、明日になったら別のチームからの注文が入っていて在庫が無くなくなってしまい、結果として数週間待つというケースもあります。要は試合の前日までに届けられるかどうか、それがたった1日早く取り組むかどうかでちがいが出てくる場合が実在するということです。とにかく余裕を持っていただくのが一番安全・確実な方法です。
 
 

2009年11月2日(月曜日)
「ロゴへの愛着」

 
現在のチームロゴ(胸マーク書体)を新しいユニフォームでもそのまま採用したいというチームは、とても少ないです。100チームに1〜2チームあるかどうかです。これをもってチームロゴへの愛着がないと言うともできなくはないでしょうが、単に気分一新・ユニフォーム一新という意味合いの方が強いでしょう(これはこれで良いことです)。昔と比べるとプロ球団でもユニフォーム替え=ロゴ変更というケースが増えています。
あるいは業界の反省点として、プロ球団の書体を基本とし過ぎている点もあります。自分たち独自のチームロゴ書体ではないから愛着がわいてこないという面もあるように思えます。たしかに草野球各チームのロゴを考案するのはたいへんですが、長くチームに愛されるロゴを提案する力をメーカ・販売店は育ててゆく必要もあるように思えます。

 
 
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