2008年10月31日(金曜日) 「細身になったパンツシルエット」 パンツは最近、細身のシルエットが流行のひとつです。日本人野手のメジャーリーガがどんどん増えていますが、プロ選手のなかでもとりわけ筋肉質でスタイリッシュな選手が多いように観察されます。日本プロ野球界でもいわゆるスラッガ・強打者よりも走・攻・守バランスのとれたスマートな選手がスポットをあびることが増えたように思います(実際に近くで見るとプロ選手は誰も彼もびっくりするほどたくましいですが)。彼らのパンツの履きこなしを見ると、そのパツパツ感をカッコイイと感じる方も多いと思います。そんな影響・流行のきざしが2003年ごろからあらわれてきていて、すでにパンツ・シルエットの設計を細身に変更しているメーカもあります。 2008年10月30日(木曜日) 「デザインの多様化が強いるもの」 野球ユニフォームのデザインはどんどん多様化してきています。メーカや販売店にはどのような変化がおとずれるでしょうか? メーカはたくさんのラインナップをそろえることになりますが、定番品・既製品として在庫をもつには限りが出てきます。在庫をもたず、しかも需要に応える。そのためには生産スピードが鍵になってきます。注文が入ったら、すぐに作って納品するのが理想です。いま現在、受注生産への対応スピードがないメーカは、今後の野球ユニフォーム作りで厳しい環境におかれてゆくかもしれません。 多様化するといっても、どれくらいのデザインになるものでしょうか? 100デザインでしょうか、1,000デザインでしょうか? それとも万・億の単位が必要でしょうか? きっと100デザインでもユーザは迷ってしまいます。選択肢が多すぎて迷う時代がこれからくるかもしれません。そんなユーザに寄り添って適切にサポート・アドヴァイスができること、それが販売店にいっそう求められてくるように思います。 2008年10月29日(水曜日) 「デザインに地域性あり」 地域によって野球ユニフォームのデザインの好みにはちがい・傾向があります。ここで言うデザインは見た目です。メッシュシャツが南では多くて、ニットシャツが北では増える傾向にあるといったものとはまた別です。おそらくどのメーカも販売店も系統だって把握していませんが、確実に存在します。一例を挙げると、ストライプの需要が東北では他の地域よりも多いです。草野球が盛んな地域ほど、シャツ色でブラックやネイビーの占める割合が少ないです。 どうしてそうした差が生まれるかと言うと、ひとつはその地域で応援されている・支持されているプロ球団や有名高校の影響です。親しみのあるユニフォーム・デザインに自然と好みが近づくのかなと思います。もうひとつは、草野球チームの密度です。数多くのチームが集まれば似たようなデザインのチームにかち合ってしまう確率も増えますが、それを見越して他チームにはないデザインを求める傾向が強まります。その傾向が一定の方向性をもつと地域性が生まれるようです。 2008年10月28日(火曜日) 「マークは機能性を省みるべきか」 野球ユニフォームのマーキングは、デザイン性・見た目重視と言えます。機能的にははっきり言って邪魔なものです。マークをつければつけるほどユニフォームが重くなりゴワゴワしてくるものです。胸マークなんかなくても敵・味方の区別は付くでしょうし、背番号や背ネームがなくたって困りません(誕生当初からしばらく無かったほど)。 しかしマーキングがいまやなくてはならないユニフォームの要素であるのも事実です。マーキングは機能面にも配慮しつつ考えてみるべきものなのかもしれません。しかし、一番機能性に無頓着なのがプロ球団だったりします(固くて重たいと言われる2〜4重のチドリ掛けを採用するチームが多数)。 2008年10月27日(月曜日) 「素材表面の変化」 ウェア素材の耐久性は、その表面にあらわれます。使っているうちに表面の材質・質感が変わってくる(たとえば毛玉ができる)のが早いものは耐久性が低いと言えます。まだまだ着られるのだから十分な耐久性があるとも言えますが、やはり見た目の良さを維持できるかどうかも耐久性の良し悪しと言えます。一般に、素材が厚手であるほど耐久性は高いものですが、必ずしも順比例するものではありません。とある薄手素材の方が、とある厚手素材よりも、耐久性が良いということがあります。 2008年10月23日(木曜日) 「キャップ穴かがりの役割」 帽子本体の上方には穴かがりと呼ばれるパーツがあります。文字通り帽子本体部に小さな穴を開けたもので、その機能は通気性の向上にあります。したがって、オールメッシュ素材のキャップには、素材そのものに高い通気性があるので、穴かがりが付いていないこともあります。 それと同時に、穴かがりを付けることで、とりわけ帽子本体カラーとは異なるものにすることで、キャップ・デザインにアクセントを与えることができます。オールメッシュキャップの時にも穴かがりを付ける意味がここにあります。 2008年10月22日(水曜日) 「カタログのカラー展示に学ぶ」 野球ユニフォームを考えるときには、自分たちのメインのチームカラーを定め、それを中心にデザインを比較検討してゆくことが多いです。チームのメンバーが大筋合意している場合には効率的な検討方法と言えるでしょう。けれど、これはある種、閉じた世界のなかの比較、細部の検討と言え、ときにアイデアや決断がつまってしまうこともあります。 世の中のいろいろな商品には、カラーのヴァリエイション・選択肢があります。自動車しかり、衣服しかり、携帯電話しかりです。それらのカタログあるいは店頭展示を見てみると、選べるカラーが一堂にそろって初めて伝わってくるものがあります。 野球ユニフォームはオーダー商品という性格がとても強いですが、他の製品と同じようなカラー・ヴァリエイション(ウェア型番やマーク書体はまったく同じ、ただ配色がちがうだけ)を同時に展示・検討しみると、新鮮な何かを見出せるかもしれません。 2008年10月21日(火曜日) 「プロ球団vsカラー別スタイル」 カタログやホームぺージ等で、野球ユニフォームの参考デザインを分類する仕方は、これまでプロ球団毎に展示するのが多かったです。しかしここ数年では、カラー別のスタイルにまとめて(たとえばブラック・スタイル、ネイビー・デザイン等)展示することも増えてきました。プロ球団にとらわれないデザイン。それが極自然なことになってきたのだなと思います。 反対に、こういう時勢にあってプロ球団のデザインをできるだけ参考にするチームというのは、本当にその球団のユニフォームに好意・尊重をもっているのだなと感じます。そのコンセプトや歴史を、自分たちのチームの状況もふまえたうえで、とりいれてみる。相手をおとしめるための模倣ではないならば、真似るということは人間の向上力のひとつだと思います。それは野球ユニフォーム作りでもきっと同じです。 2008年10月20日(月曜日) 「変な組み合わせ」 「ええぇ、それはないだろう?!」というデザインの組み合わせの野球ユニフォームにたまにお目にかかりますが、よくよく調べてみると過去に採用していたプロ球団があったり(それを参考にしたかは不明)、数年すると人気・需要が伸びてきたりすることがあります。 たとえば最近では、ストライプのユニフォームにライン加工をほどこすというのがありました。たしかに20年以上前にはわりと普通のことでしたが、ここしばらくではあまりないご注文。しかし近年、その割合がすこし増えてきました。あるいは、身頃がカラー生地で、袖がストライプというシャツ。傾向としては逆の組み合わせの方が多いのですが、その逆もまた立派なデザインです。 とにかく自由な発想で。あまり決めつけないというのが、野球ユニフォーム作りの基本心構えのひとつかなと思います。 2008年10月17日(金曜日) 「多様化の時代」 2001年から2年ほどの野球ユニフォーム作り。新しく作るデザインは、感覚的に10チーム中3チームぐらいはメジャーリーグ・アメリカ西海岸の某チームを基本としたものでした。気持ちは分からなくなく、また注文ですから黙って作りますが、「こんなにみんな同じデザインで本当にいいの?」とちょっと心配したものです。 その後、草野球のユニフォーム・デザインはいくつかのブームをむかえましたが、つづいても数ヶ月間だけのものとなっています。プロ野球のユニフォーム・デザインもどんどん多様化しています。プロ球団にとらわれない気風も伸びています。もう以前のように、たった1〜2つのデザインに偏って制作する・注文が入ることはないのだなと思います。みんながそれぞれ好きなデザインを選べばいい。あるいは好き好きに選べるような素地ができてきた。まだまだ野球ユニフォームの世界は広がってゆきそうです。 2008年10月16日(木曜日) 「希望はいつかかなうかも」 秋が深まってくると、野球ユニフォームにも来年の新しいラインナップの話が出てきます。その時のひとつの楽しみが、今までできなかったもの、なかったものが作れるようになるというものです。販売店からメーカへは折りにふれて、ユーザ様からの要望・需要を伝えていますが、それが形になるときは殊更うれしいものです。翌年すぐに結果が出なくても、数年して忘れた頃に実って返ってきてもうれしいものです。 それには極々ささいなことも多く、たとえば近年では、カラーソックスやベルトに需要増加中のグリーン色やエンジ色が選べるようになるだとか、人気のあるシルエットの帽子でフリーサイズだけだったのがサイズ物になるだとか、珍しい番号書体が増えるとか、そうした「ダメなら、別に他でもいいんじゃない。そんなにこだわらなくてもいいよね!?」というような事柄が素直にできるようことも含まれます。もちろん小さな事柄に見えても、メーカ側にとっては製造・在庫の悩みの種かもしれません。しかし、できるようになったということは、そうした諸々の問題をクリアしたからだと見ることができます。本当に少しずつでも野球ユニフォーム作りがもっと豊かになることを祈ってやみません。 2008年10月15日(水曜日) 「2009年の価格はアップ予想」 原材料費等の高騰により、2008年はいろいろな物の値上げが話題になりました。野球用品でもその影響は出てきています。2009年にかけてはさらに値上がり(5〜10%ほど?!)するというメーカ・アイテムも出てくる可能性は十分あります。もちろん反対に、企業努力で価格をおさえるメーカ・アイテムもあるとは思いますが、どちらかと言えば少ないと思います(あくまで現時点での予想)。 景気が良いという状況ではなく懐具合が厳しいかもしれませんが、もし来年のユニフォーム買い替えを予定しているなら、2008年内=値上がりの可能性前にすませてしまうのも一手かもしれません。 2008年10月14日(火曜日) 「ウェアとマークの境がなくなる」 野球ユニフォームを考えるときに、ウェアとマークを分けて考えるのは手法のひとつです。一般的に、ウェアは野球用品メーカ毎にラインナップが異なっていて、マークはプロ球団を基本としたものになっており、それぞれ別の性質・成り立ちを持っています。こうした状況においては、(1)ベースとなるウェアを定め、(2)次にマークをのせてゆく、という思考法をとることが多いと思います。プロ球団やカタログのスタイルを基準とするときでも、やはり、まずはどのウェアが良いかをしぼり、次にマークをアレンジするという考案法をとっているように観察されます。 近年、コンビネーションシャツや特注シャツ、あるいは別注ライン、特注キャップ、パンツの選択肢等々が増えています。マーク書体・加工法もいっそう多様になってきました。これらの組み合わせは多種多様にわたり、ユニフォーム・デザインのあり方をどんどん更新しています。「ウェアはこういう物だから云々」「マークはこうあるべきだ云々」という常識にとらわれていると、対応できない(というより拒否反応をおこす)ことになってしまいます。 こうした流動的な傾向からユニフォーム作りをかえりみると、ウェア(のパーツ)も、マークも、すべてユニフォームを飾りつけるものだと見ることができるようになります。それぞれが単なるユニフォームの構成パーツに過ぎないとも言えます。ここで言いたいことは「だからユニフォーム全体をひとつのスタイルとして見るべきだ」ではありません(このことももちろん言えますが)。この考えから引き出せるアイデアは極々あたりまえのことから、これからのユニフォームにとって革新的なことまで、たくさんあるような予感がします。 2008年10月10日(金曜日) 「価格のあたりをつける」 野球ユニフォームは、受注生産品、オリジナル商品という性格がとても強いので、チーム毎の価格はまちまち、ばらばらになることが多いです。しかし、世の中に存在する他の商品と同じく、野球ユニフォームでもだいたいの価格を知っておくことはたいせつです。 と言いたいところですが、あまりにもばらばらなので、販売店でも把握することは難しいです。1回1回電卓をたたいて計算する方が迅速・確実であると言えるほどです。 そんな中で、これは当てはまるなあというのは「1着あたり20,000円を用意できれば、ほぼ希望通りに作れる。15,000円だとある程度自由に作れるが、制限・割愛も出てくる。」です。 2008年10月9日(木曜日) 「闘争力を駆り立てるレッド」 レッドという色は、人を興奮させる、闘争力を駆り立てる作用があると言います。レッド色のシャツやアンダーシャツを身に着けると、チームの士気が向上するようになるかもしれません。 けれど、そのレッドを見ているのは、自分たちのチームだけではないのです。相手チームも見ているわけですから、もしかすると、そちら側もなんだか俄然やる気がわいてきているかもしれません(笑)。闘牛につかわれる赤いマントの道理です。 2008年10月8日(水曜日) 「塗り絵をしたいわけではない」 近年、特注・別注シャツのご注文がますます増えています。シャツのパーツ毎にカラーを自由に決められ、より自分たちのチームらしいユニークなデザインに仕上げることができます。 しかし特注・別注シャツを考える作業というのは案外とたいへんです。組み合わせは、文字通り色々。最大で何十億ものパターンになってしまいます。カラーと型番をしぼっても20通り以上は候補に挙がってくるでしょう。紙に書いてみて、あるいはコンピュータの画面でシミュレイトしてみて、頭の中で想像してみて、それはそれはたいへんです。ともすると、単にパーツの色を塗り替えているだけの作業になってしまい、いったい自分たちが何を追い求めているのか分からなくなってしまうほどです。 2008年10月7日(火曜日) 「ベルトのエナメル調」 ベルトにはエナメル調のものがあり、非エナメル調・つや消し素材のものと比べると、数百円高いことが多いです。需要はエナメル調を10とすると、非エナメル調が90と、圧倒的に少ないです。みなさんそれほどベルト素材にまではこだわりがないので、メーカのもっともベーシックなベルト品番が選ばれ、それはたいてい非エナメル調です。 2008年10月6日(月曜日) 「記憶に残る番号書体」 ユニフォームのデザインで、記憶に残る意外性をもつのが番号書体です。とても細長かったり、横広だったり、あるいは尖っていたりすると、記憶に残りやすいです。プロでも草野球でも番号書体にこだわるチームは多いとは言えず、無難な番号書体が選ばれることが多いです。これはきっと未来永劫変わらないでしょう。そういう状況の中で、変わった(ちょっと変わった程度ではだめで、とても変わった)番号書体を採用するとユニークなチームとして印象に残ります。 2008年10月3日(金曜日) 「好みそれぞれ、ひとつになる」 野球ユニフォームのデザインは各チームで統一しなければいけません。選手毎にちがうデザインを着用するわけにはゆきません(かつて一時期採用していたプロ球団もありましたが)。 統一してしまうと、人の好みはそれぞれですから選手の中にはやぱり何かしらの不満があるかもしれません。しかし、だからこそ、です。人の好みや思いはそれぞれでもチームとしてまとまる必要がある。その象徴こそがユニフォームです。 2008年10月2日(木曜日) 「胸番号の位置」 胸番号の位置は、胸マーク書体によります。 両胸マークの時は一般的に、むかって右下に取り付けます。右上がりの胸マーク書体ではとくにすっぽりと決まります。胸マークがアーチタイプの書体ですと、ちょうど胸マークが下がってきたところに胸番号が位置してしまうので、注意が必要です。場合によっては胸マークの上方、つまり左鎖骨下あたりに取り付けてみるのもよいかもしれません。 片胸マークの時は、胸マークが通常左胸につきますので、胸番号は反対の右胸に取り付けます。上下位置は胸マークよりやや下側、つまりみぞおちぐらいに取り付けることがほとんどです。 胸番号は、伝統的に・一般的に取り付ける位置が決まっていますが、胸マークとのバランスを考えつつ、あえてずらしてみると斬新なデザインを生み出せるかもしれません。 2008年10月1日(水曜日) 「シャツによって胸マーク幅がちがう」 シャツは、デザイン・型番によって、胸マークとして使える面積がちがってきます。とくに横幅がちがってきます。最近はコンビネーションシャツ・特注シャツで脇部分に切替パーツやパイピングが入るために、他のシャツと比べて横幅で2cmほど小さくする必要がある場合があります。2cmというと胸マークでは一回り小さい印象になります。 |